2009.04.15
Runaway Jury 邦題:ニューオリンズ・トライアル
銃と訴訟大国アメリカ。陪審員制度の表と裏の熾烈な駆け引きを、名優ジーン・ハックマンとダスティン・ホフマンが演じるサスペンス映画。裁判員制度が導入されたばかりの私たちには、あまりにも過激な内容かも。ジョン・グリシャムの原作「陪審評決」の映画化作品。
ニューオリンズのとある証券会社に、リストラされた元社員が乱入して銃を乱射します。死亡11人、犯人は自らの命を絶ちます。この事件で夫を亡くした女性が、地元のベテラン弁護士ローア(ダスティン・ホフマン)に依頼して、使用された銃のメーカーであるヴィックスバーグ社を相手に民事訴訟を起こします。
起訴から2年。全米が注目する中、いよいよ結審が始まります。裁判での負けが業界自体の存亡に関わると判断したメーカー側は、あらゆる手段を駆使して陪審員の評決を勝ち取ることで知られる陪審コンサルタントのフィッチ(ジーン・ハックマン)を雇い、尾行や盗聴といった手段で陪審員候補たちをふるいにかけてゆきます。
フィッチがマークした陪審員のひとりに、ニック(ジョン・キューザック)がいました。ゲーム販売店に勤める彼は、過激なシューティングゲームのファン。この裁判にはうってつけだと思われた彼には、謎に包まれた前歴がありました。
ジーン・ハックマンにダスティン・ホフマン。この二人は、下積み時代からの親友。そんな二人の記念すべき初競演は、目の離せない展開がたたみかけるインテリジェンス作品です。それに絡んでくるのが、不可解な行動のジョン・キューザック。3つ巴の息をもつかせぬ展開に、裁判の行方も二転三転します。
純粋に物語としても面白いのですが、興味を持ったのは陪審員制度について。我が国でも、裁判員制度が始まりますが、18世紀にはすでにこの制度が始まっていたアメリカでは、こんなことまであるのかという事態が、あたり前のように展開されます。我が国での導入でも、この辺までは織り込み済みなんでしょうが・・・。
まあ、そういった原告被告間の駆け引きだけに終わらない展開が、この物語の響きを大きくしている理由です。どういう展開かは、作品をご覧になってください。もちろん、名優二人の迫真の演技だけでも、見ごたえはあります。
ちなみに、「トライアル」とは試験でもバイクの競技でもなく、「審理」と言う意味です。
出演:ジョン・キューザック,ジーン・ハックマン,ダスティン・ホフマン,レイチェル・ワイズ,ブルース・デイヴィソン
監督:ゲイリー・フレダー 2007年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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