2009.04.10
Spider-Man 邦題:スパイダーマン
超人的な身体能力を身につけ、正義を守ることを運命付けられた青年の、ヒーローとしての活躍と苦悩を描いたマーベル・コミック社刊行の人気アニメの実写版。21世紀のCG技術が実現した、町中を縦横無尽に飛び回り、悪をこらしめる悩み多き青年の姿が人気を呼び、大ヒット作となりました。
幼くして両親を失った青年ピーター・パーカー(トビー・マグワイア)は、叔父夫婦に引き取られ、ニューヨーク郊外のクイーンズ地区に住んでいました。彼は、幼馴なじみで隣に住むメリー・ジェーン(キルスティン・ダンスト)に思いを寄せる、どこにでもいるような物理の好きなドジな高校生。
ある日、遺伝子を組み替えたスーパースパイダーに刺されたピーターは、ひ弱だった体に異変が起こり始め、強靭な肉体と蜘蛛のような特殊な能力を持つようになります。最初は私利私欲の為にその能力を使っていた彼。そのことが災いして愛する叔父さんを強盗に殺され、手に入れた能力を正義の為にだけ使うことを決意します。
もともとが、ダークヒーローといいますか、なんだか悲しいサガを背負ったヒーローです。しかも監督が、「タイタニック」のジェームズ・キャメロンの予定が、「死霊のはらわた」のサム・ライミに。まあ、結果的にはそれが功を奏したといいますか、原作コミックのもつ「モノクロームな味わいをそのまま実写化!」に成功しています。
また、等身大のパーカーとM.J.が、私のようなちょっと屈折した人間には、みょーに共感を感じさせ・・・。って、くどいようですが、わたくしキルスティン・ダンストの大ファンですので・・・。パーカーとのじれったい恋模様もなかなかです。
圧巻は、かつて「ストリート・オブ・ファイアー」でならしたウィレム・デフォーとスパイダーマンの対決。この結果はその後の作品の伏線にもなってゆくのですが・・・。普通に考えれば、かなり陰湿で悲惨な展開なのですが、原作がコミックであることと、サム・ライミのかました余裕のせいで、そこかしこにコミカルさが潜んでいるのも、この作品がヒット作となった理由でしょう。
もちろんサム・ライミは続く2作も監督し、全3作を手がけることでみずからもカルト監督から大きく進化することになります。
身体能力には優れているものの、基本的には素手と度胸が武器のスパイダーマン。だからこそ、何かを成し遂げようとする気持ち、何かを守ろうとする勇気が、ストレートに伝わってきます。個人的には、シリーズ3作中のベスト!
「大いなる力には、大いなる責任が伴う」頼りなく悲しいこのエンディングが大好きです!
出演:トビー・マグワイア,キルスティン・ダンスト,ウィレム・デフォー,ジェームズ・フランコ,クリフ・ロバートソン
監督:サム・ライミ 2002年
BOSS的には・・・★★★★☆
もっとムービー・アーカイブスはこちら >>> 「ムービー・インデックス」