2009.04.01
The Siege 邦題:マーシャル・ロー
アラブ系テロリストの無差別爆破犯とFBI捜査官の対決を描いた社会派アクション映画。静かなファイターであるデンゼル・ワシントンとハードな悪者のブルース・ウィリスの味方同士の対決が見ものです。
ニューヨークはブルックリン、アラブ系テロリストによるバス爆破の自爆テロが発生します。テロ担当のFBI特別捜査官ハバード(デンゼル・ワシントン)は、同僚のハダッド(トニー・シャルーブ)とともに早速捜査に乗り出します。
彼の前に謎の美女が現れます。エリース(アネット・ベニング)と名乗るアラブ系アメリカ人社会にコネクションのある彼女は、実はCIAのエージェントでした。
テロリストの目的は国家戦争などではなく、軍部に拘束されたイスラムの教祖の釈放でしたが、軍を統括する将軍デヴロー(ブルース・ウィリス)はそのことを隠し、逆にテロリストによる自らへの訴えを、国家の戦争と位置づけ、軍を派遣してブルックリンに戒厳令(マーシャル・ロー)を発令、住民のアラブ人男性を片っ端から検挙し始めます。
9.11に遡ること3年前に公開されたこの作品、湾岸戦争とかフセインとかの名は出てはきますが、まさか3年後にかの事件が発生するなどとは夢にも思わなかったことでしょう。
プロットとしては、テロリスト VS FBI&CIA&US-Armyという、ワンサイドゲームと思いきや、三つ巴の仲が悪く、盗聴しては先んじようとする始末。
というよりも、あくまでも法を遵守するFBIと、国家のためには法さえも犯すCIA、そして法よりも銃弾を重んじるArmyという設定で、もちろん主人公デンゼル・ワシントン所属のFBIが正しくて正解!というお話なのですが、戒厳令や無差別拘束に対するデモにイスラムやユダヤ、黒人白人と国家人種を超えて力による弾圧に抗しようとする展開も、当時のネオコンの人たちには、説得力はなかったのでしょうねぇ〜。
CIAのアネット、「アメリカン・ビューティ」とは違い、ショートカットでアクティブに演じてますが、CIAエージェントとしてはちょっと力不足か?でもどっちつかずの役は、なかなかはまっていたのではないかと思います。
ブルース・ウィリスは、「俺が法だ!」とのたまう独裁者なのですが、ダイハードの対極でよくある役でして、これもなかなかのキャスティングでは。
なんといっても、猪突猛進、正しいと信じることにまっしぐらのハバードが、相変わらずジミながらも、逆に社会派の匂いさえも醸し出しています。
爆破シーンとかの映像処理には、イマイチ納得できないところもありますが、サスペンス要素もありで最後まで釘付けにするいい映画でした。
出演:デンゼル・ワシントン,アネット・ベニング,ブルース・ウィリス,トニー・シャローブ
監督:エドワード・ズウィック 1998年
BOSS的には・・・★★★☆☆
おすすめ平均:
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