2009.05.08
90125 by YES
私は、ロック・エイジです。同年代のイギリスのブレアもそうです。
ロックですが、ロカビリーでもロックンロールでもありません。ロックです。だから、渋谷陽一は博学な兄貴だったし、チャーはやんちゃな兄貴でした。ロカビリーは踊りすぎだし、ロックンロールは女の子を意識しすぎです。ただの偏見ですが・・・
「男はだまってロック」です。ウィスキーではなく音楽の・・・。
恐らく私よりも10歳以上歳が離れると、もう別の世界の人間であり、私たちの世代は宇宙人でしかないでしょう。上でも下でも・・・。私たちの世代は、音楽が商業ベースになる前の、行き場をなくした若者たちの表現手段の一つとしての「ロック」の黎明期を同時代として思春期を過ごしました。
今ではジャズも聴くし、クラシックも大好きです。それらを決して頭で聞いているわけではないのですが、この血管の中を流れているのは、やはり「ロック」なんだなと、いつまでも赤く熱いこのハートは「ロック」で出来てるんだなと、この歳になるとなかばあきらめ顔の覚めた目で自分自身を見ています。
「永遠のロック少年」の一人かもしれません。
今日はイエスです。キリストではなくバンドです。
1969年にデビューした彼らの最高傑作は、リック・ウェイクマンが加入した1971年のアルバム「こわれもの」と翌72年の「危機」だと言われています。イエスと言うバンドのアイデンティティを、「強力なヴォーカルとインストゥルメンタルの融合」とするならば、また当時そう呼ばれていた「プログレッシブ・ロック」として捉えると、イエスがその語源となった当時のピンク・フロイドに最も近づいた時期でもありました。
その後、彼らは停滞期、そして活動停止の時期を向かえ、10年後の1983年に活動を再開。その時に生まれた私的傑作アルバムが今日ご紹介する「90125」です。
ハードロックの要素にポップな感覚を取り入れたこのアルバム、以前このブログでもご紹介したシングルカットの「Owner Of A Lonely Heart」は全米ビルボードNo.1に輝きます。しかし、昔からのイエス・ファンにとってこのアルバムは、「産業ロック」の一枚にしか見えず、再結成のいきさつも含め、この時のバンドをイエスと認めない人も多いと聞きます。
しかしながら、収録された曲はどれもイエスであり、イエスそのものであり、これを80年代のイエスであることを認めない限り、ロックだけでなくすべての音楽を演奏するバンドやミュージシャンを、ひとつの時代に縛りつけ、変化や進化を認めない恐怖政治の独裁者となってしまいはしないでしょうか?
70年代、青い時代の「こわれもの」。80年代、赤い時代の「90125」どちらもイエスであり、どちらもロック音楽史に残る傑作アルバムだと思います。ちなみに意味ありげな「90125」は、ただのレコードの品番。何か意味があると思わせるのが70年代の彼らであり、何の意味も持たないことが、80年代の彼らなのです。
おすすめ平均:
問題作ですが・・聞く価値あります。
イエスの素質
キャッチー&メロディアス
このアルバムの名前は 「90125」
正しく80年代を代表するサウンド!!
Amazon.co.jpで見る by Azmix