2009.05.09
A Little Romance 邦題:リトル・ロマンス
少年少女の純愛ドラマ「小さな恋のメロディ」がイギリス物なら、こちらはパトリック・コーバン原作のハリウッド物。しかし舞台はパリとベニスです。ダイアンレインのデビュー作、アカデミー賞オリジナル作品賞受賞作品。
パリ郊外のアパートで、しがないタクシー運転手の父と二人暮しの少年ダニエル(小さな・・・と同じ名前!)(テロニアス・ベルナール)。13歳の彼は、頭がよくまた無類の映画好き。ある日、クラスでベルサイユ宮殿の見学に行き、裕福な実業家と再婚した母に連れられたアメリカ生まれの少女ローレン(ダイアン・レイン)と言葉を交わします。
お互いに哲学や数学が得意、趣味も合うことがわかって意気投合。ルーブル美術館の前で約束どおり再会します。そこで二人は、ジュリアス(ローレンス・オリヴィエ)という不思議な老人に出会います。ジュリアスは彼らに、「ベネチアのため息橋の下で日没にキスをすると二人の愛は永遠となる」という伝説を話して聞かせます。
子供よりも自分優先の母ケイ(サリー・ケラーマン)を何とかしようと、父リチャード(アーサー・ヒル)が家族でヒューストンに引っ越すことを決めたローレン。2週間後の帰国前に、ダニエルとベネチアに行き、願いを叶えようと決意した彼女は、ジュリアスを巻き込んで3人でパリを出発しますが・・・。
ダイアン・レイン、かわゆいです。テロニアス・ベルナールは、演技もイマイチってとこですが・・・。役柄が聡明な少年ということで、「小さな」のダニエルよりは確かにムツカシイのですが。「小さな」は、友人トムを含めひとつの世界を構築していましたが、こちらはあくまでも普通の生活の延長線上で物語が展開します。
アカデミー監督ジョージ・ロイ・ヒルが、自らの作品「明日に向かって打て!」や「スティング」などを登場させ、ダニエルをレッドフォードの大ファンにしたあたりは、かえって純愛路線の焦点をぼかしてしまった感あり。まあ「小さな」と同じ切り口とはいかなかったのでしょうが。
そして特筆は、老優ローレンス・オリビエの名演でしょう。二人の子供がしっかりしてる分、とぼけた演技に終始してますが、これがまたいい味だしてます。いりこ出汁ってところでしょうか?こちらもジャック・ワイルドとは違って老練な味わいですので、全体的にははやりハリウッド風に仕上がっています。ベネチア市内でのカメラアングルが、「陽気なアメリカ人」的でイマイチだったと思うのは私だけ?
アカデミー作品だし、「小さな」と向こうを張る作品ですので「★4つ」といきたいところですが、細かい部分にややダルさが見えるので、「★3つ」とさせていただきます。
果たして二人は、伝説をトレースすることが出来るのか・・・。あの頃に戻ってお楽しみください。
主演:ダイアン・レイン,テロニアス・ベルナール,ローレンス・オリヴィエ,アーサー・ヒル,サリー・ケラーマン
監督:ジョージ・ロイ・ヒル 1979年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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