2009.05.01
Batman Begins 邦題:バットマンビギンズ
引き続きます、感情移入しやすいシリーズ、今回は1個飛ばして第5弾。このシリーズのネーミングって順番がわかりにくいんだよね。しかもビギンズってことで、実は第一作のあのジョーカーへと繋がる、「こうしてバットマンは誕生した」物語です。
悪の本質を探ろうと犯罪が渦巻く裏社会に身を投じたブルース・ウェイン(クリスチャン・ベール)は、放浪の果てにブータンの刑務所に収監されます。少年時代に、資産家である両親を凶弾で失った彼は、悪に立ち向かって生きてゆくことを決意します。
そこで出会ったデュカード(リーアム・ニーソン)。彼はラーズ・アル・グール(渡辺謙)が送った使者。グールは忍者を組織する強力な自警団「影の同盟」のリーダーでした。「影の同盟」でさらに修行を積んだブルースは、ついにトラウマとなっていたコウモリへの恐怖を乗り越え、ゴッサムシティに戻ります。
十数年ぶりの帰郷。幼馴染のレイチェル(ケイティ・ホームズ)は地方検事補となって彼女なりに悪と戦っていました。ブルースは、自らが克服した恐怖の象徴であるコウモリを模したバットマンとして、ゴッサムシティにはびこる悪に立ち向かってゆきます。
今回も、メンバー総入れ替えのリセット版。1作目あたりのバットマンとは、同じシリーズとは思えないような始まりは、正直ややダルな印象でしたが、物語がゴッサムシティへと進むにつれ、畳み掛けるような展開とバットマンの成長・パワーアップ、あっという間にエンディングまで猛スピードで突き進みます。
猛スピードといえば、バットモービル。まるでイラク駐留の装甲車です。ある意味、かっこいい。ティム・バートン版と大きく異なるのは、このバットモービルとゴッサムシティの町並みでしょうか。先祖帰りしたはずの物語なのに、あのゴシックの世界は一気に現代風になります。
一流ホテルを連れの女性の為に丸ごと買ってしまうなんてことも、これまでの作品ではありえない設定でした。そういう部分、物語前半には見られなかった現代的コミカルさは、加速するスピード感とともに本作品の展開の妙となっており、マイケル・キートンの立ち回りとはまた異なる面白さです。
しかし、リーアム・ニーソンって、「師匠っ!」って感じ!?は、スターウォーズの刷り込み?そうそう、今回のお相手のケイティ・ホームズ、あのトム・クルーズの新妻なんですよね!この映画では、それほど魅力的だとは思えませんでしたが・・・。
執事アルフレッド(マイケル・ケイン)が、なぜあれほど坊ちゃまに献身的なのかもよくわかりましたし、あのコスチュームってこうやってできたんだ!とか、それであのバットモービルが手にはいったのかーとか、そういうコアなファンにもしっかりと応えてくれる内容になっています。
で、新ブルースのクリスチャン・ベイル、なかなかすごい胸板です。そういう部分は、ミョーに納得。だってスーパーマンやスパイダーマンと違って、バットマンはその裸一貫で勝負ですから。顔立ちは、私の好みとはちょっと違うのですが・・・。
ゴードン警部役のゲイリー・オールドマンやモーガン・フリーマンら脇役陣のいぶし銀の演技も、この作品を引き立てる役目を果たしています。
ある部分、コミックのしがらみから開放され、そのことで潔く作品としての作りこみに専念できた気がします。とりあえず、現時点ではシリーズ中もっとも「ありえて」かっこいい、現地の人の言葉で「Cool!」なバットマンが見られます。つまり、シリーズ中で最も感情移入しやすい(笑)。
出演:クリスチャン・ベール,マイケル・ケイン,リーアム・ニーソン,ケイティ・ホームズ,ゲイリー・オールドマン,モーガン・フリーマン
監督:クリストファー・ノーラン 2005年
BOSS的には・・・★★★★☆
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