2009.05.03
FLY DADDY FLY 邦題:フライ・ダディ
金城一紀のベストセラー小説「フライ、ダディ、フライ」を岡田准一主演で映画化した作品の、今回は韓国版のご紹介。個人的に岡田准一が好きじゃないからと言う理由なのですが、作品としてもこちらのほうがしっくりくるようで・・・。愛する一人娘を暴行された平凡なサラリーマンの父が、相手と戦う為に鍛錬の日々に耐える物語。
仕事まっしぐらのサラリーマン、ガピル(イ・ムンシク)の娘ダミ(キム・ソウン)が、学校帰りのカラオケボックスで、男子高校生に暴行を受け病院に運び込まれます。高校ボクシングのチャンピオンで、上流階級の親を持つ犯人の少年は、教頭に連れられ病院にやってきますが、まともな謝罪はなく、学校側も慰謝料で片をつけようとします。
娘を守ることが出来なかった父に対して娘は拒絶反応を起こし、悩んだ末ガピルは少年の高校に包丁を持って乗り込みますが、別の高校生スンソク(イ・ジュンギ)に倒され、彼らの秘密の場所に連れて行かれます。
後半の40日にも及ぶ試練鍛錬の日々は別にして、どこにでもある、どこで起こっても不思議はないような話の展開。全体的にはテレビドラマ的な撮影ながら、伏線やプロットはなかなかしっかり出来ていて違和感を感じません。というか、必然的に「そうだよな!」と納得してしまう。
主演のイ・ムンシクは、日本版の堤真一よりはるかに普通だし、親近感を覚えます。彼は何と撮影前にはたるみきった中年を表現するため、普段より15kgも太って撮影開始。そして撮影中に鍛え上げて筋肉モリモリになるという、まるでデ・ニーロ韓国版。見た目は全然違いますが・・・。
そしてそんなどうしようもない親父を鍛え上げたのが、切れ長の目が美しいイ・ジュンギ。彼も、なかなか私好みでヨロシイ。ここは演技云々はおいといて。
途中の展開も韓国映画によくある女々しさも、とんでもなさもなく、あくまでも自然に展開してゆきますし、想定内と思われたエンディングの展開もひとひねりされていて、なかなか最後までしっかりと釘付けになってしまいました。最後は仕掛けどおり、ちょっとうるっとしますし・・・。
いわゆる韓流物とは異なりますので、あしからず。
出演:イ・ムンシク,イ・ジュンギ,イ・ジェヨン,ナム・ヒョンジュン,キム・ジフン,イ・ヨンス,キム・ソウン,イ・ジュ
監督:チェ・ジョンテ 2006年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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