2009.05.14
The Legend of Bagger Vance 邦題:バガー・ヴァンスの伝説
天才ゴルファーが、人々の声援と不思議なキャディの言葉に自分自身を取り戻してゆくスポーツ・ドラマ。監督は、あのロバート・レッドフォード。そうです、先日「リトル・ロマンス」でご紹介した「スティング」「華麗なる・・・」のあのレッドフォード。といっても彼の監督暦は80年の「普通の人々」からですから。
1928年、アメリカ南部ジョージア州のサバナ。地元出身の天才ゴルファーだったジュナ(マット・デイモン)は第一次世界大戦に参加し、戦場での悲惨な体験がもとで帰郷してもクラブを握ることはなく、酒とギャンブルに溺れる日々を過ごしていました。かつての恋人アデール(シャーリーズ・セロン)とは言葉を交わすこともなく、また誤解を解くこともなく。
一方のアデールは、世界恐慌による事業の逼迫で自殺した父の後を継ぎ、父親が残したゴルフ場を復活させるべく世紀のマッチ・ゴルフを企画します。二人のスター・プレイヤーとともに、地元からもプレーヤーをという町の人々の声を聞いた少年ハーディ(ジェイ・マイケル・モンクリーフ)は、父親からいつも聞かされていた天才ゴルファーのジュナを参戦させるという提案をします。
早速ジュナのもとを訪れたハーディでしたが、すっかり世捨て人となったジュナは耳を貸そうとしない。それでも夜中にかつて愛用したクラブを振ってみるジュナ。しかし、素人よろしく、全くまともに飛びはしません。そんな彼の前にバガー・ヴァンス(ウィル・スミス)と名乗る不思議な男が現われ、わずか5ドルでキャディを引き受けると申し出ます。
いよいよマッチ・プレーの日がやってきます。が、プレッシャーに押しつぶされそうになったジュナは、街から逃げ出そうとします。
主演は「バッドボーイズ」「インディペンデンス・デイ」「M.I.B」「ワイルド・ワイルド・ウェスト」で独特のキャラを発揮したウィル・スミス。いい役もらってます。というか、セリフがとてもいい。ゴルフの教訓というよりは、生きてゆくうえでの教訓に溢れています。
その言葉に、最初は反発しながらも励まされながら、次第に自信と自分自身を取り戻してゆくのがマット・デイモン。彼はこの後、「オーシャンズ11」を経て「ボーン・シリーズ」へと進んでゆくいわば売り出し中。
そして、恋人役は美しくも気の強い女性を演じるシャーリーズ・セロン。この後、ダイエットに取り組んだのか、5年後の「イーオンフラックス」の時よりもすいぶんふっくらしてます。あちこち・・・。
何故かクレジットには出てこないのですが、イントロとエンディングに現在のハーディ役を演じているのがアカデミー俳優のジャック・レモン。作品の中では心臓を患っているということになっていましたが、撮影の翌年、癌で帰らぬ人となります。
知ってる人は知っている「天才ゴルファー猿」ほどのミラクル・ショットはありません。あくまでも現実路線でゲームは展開してゆきます。ゴルフをまったく知らない方には、ちょっとわかりにくいところもあるかもしれませんが、それでも「自分探しの旅」を続けるジュナに、ちょっと感動かも。そういう意味では、すべてのキャスティングがうまくいってるなと感心します。下手に監督が出演してないのも功を奏したか!(笑)
ウィル・スミスのファンの方には、彼の持ち味のギャグも少ないし、あのモリモリ・ボディも露出しませんので、少し物足りないかもね!
今は懐かしい、パーシモンのカシッという音もいいですよね!
ゴルフも人生も、「勝負」ではなく「ゲーム」なんですよね!たかがゴルフ、されどゴルフ。たかが人生、されど人生!
出演:ウィル・スミス,マット・デイモン,シャーリーズ・セロン,ジャック・レモン,ジェイ・マイケル・モンクリーフ
監督:ロバート・レッドフォード 2000年
BOSS的には・・・★★★☆☆
おすすめ平均:
ゆっくりと見られる、心休まる作品では?
霊的な成長が語られている
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"ドラマ性"が弱いのが難だが、M・バウハウスの映像美に魅了される。
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