2009.05.06

Movies

The Postman 邦題:ポストマン

興廃し無政府状態となった近未来のアメリカで、人々に希望をもたらす郵便配達人の生き様を描いたSFアクション。デイヴィッド・ブリンの原作を元に、ケヴィン・コスナーが監督・主演した3時間におよぶ超大作です。

2013年、アメリカ。世界大戦の被爆、疫病の蔓延、さまざまな生物の絶滅と食糧難。興廃し無政府状態となって、人々は集落単位で閉ざされた暮らしをしていました。そんな集落を時折訪れては、さまざまな搾取と暴力を繰り返す無法武装集団ホルニスト。その集団を率いるのが、かつてコピー機のセールスマンをしていたと言うベスリヘム将軍(ウィル・パットン)でした。

postman.jpgその頃、大陸を流浪しては素人芝居をして、引き換えに衣食を得る放浪の旅を続ける男(ケヴィン・コスナー)がいました。とある町でシェークスピア劇を演じた彼は、その町を訪れたホルニスト集団に捉えられますが、隙を見て逃走します。

逃走途中に、郵便配達車から制服を調達した彼は、郵便配達人になりすましパインビューという街を訪れ、十数年前の手紙を届け、衣食を得ます。ベスリヘム将軍の目を盗んで各地に郵便を届けると言うポストマンを尊敬する若者フォード(ラレンツ・テイト)ら町の人たちによって神格化された彼は、人々に忘れかけていた「希望」、新たな秩序ある国家の建設を自らが作ると言う「希望」を与えるようになります。

テーマとしては、守るものも大切にするものもない主人公は、とにかく面倒から逃げ回るその日暮らしの人間でしたが、ひょんなことで人を愛するようになった時、戦う勇気と守るための力を得るということ。そして、「ゴッド・ブレス・アメリカ」なんですが・・・

とにかく長い。延々と嘘つき弱腰の主人公が描かれ、見ているほうは苛立ちがつのります。しかも子種がないからと、新妻の代理父までお願いされる始末。さすがセルフ・プロデュースです。最終的にはアイデンティティを見出しはするのですが、むしろベスリヘム将軍のほうが勇気があるように思えてしまう。

原作の忠実なトレースなのかどうかは定かではありませんが、もっと短く単純に彼を戦うヒーローにしてしまった方がかえって感情移入しやすかったのでは?見ている私たちに、「自分だったら、もう少し勇気があるかも!」と思わせてしまうのは、とても危険な賭けだったと思うのですが・・・。15年も経っては、さすがのジッポーも火がつくとは思えないし・・・。

結局彼は、愛する人を守るのではなく、「アメリカ合衆国」に忠誠を誓うがゆえにとなり、最後の最後まで特に我々日本人には理解できない世界で物語りは展開されます。そういう理由ではないでしょうが、ケヴィン・コスナーは本作で、最低監督賞および最低主演男優賞を受賞しました。トム・ぺティも友情出演(?)してましたが・・・。

ということで、ケヴィン・コスナーファンの方に、「夢を叶える国、アメリカ」が大好きなあなたに!

出演:ケヴィン・コスナー,ウィル・パットン,ラレンツ・テイル,オリヴィア・ウィリアムズ,ジェームズ・ルッソ

監督:ケヴィン・コスナー 1997年

BOSS的には・・・★★☆☆☆

ポストマン [DVD]

おすすめ平均:3
2長すぎ、焦点がぼやけてしまっています。
5本当にいい作品です。
4チャレンジングな作品
1失敗作

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