2009.05.20
Three Kings 邦題:スリー・キングス
湾岸戦争直後のイラクで、フセインの金塊を強奪すべく村に入った兵士たちの姿を描く戦争アクション。いわゆる戦争物ではなく、砂漠の戦場での強奪物。
1991年3月、湾岸戦争が終結し、終戦に沸くイラク領土内の砂漠の米軍基地。トロイ上級曹長(マーク・ウォールバーグ)とコンラッド上等兵(スパイク・ジョーンズ)は、降伏したイラク軍兵士が隠し持っていた地図を発見します。特殊部隊のゲイツ少佐(ジョージ・クルーニー)は、イラクがクウェートから奪った金塊の隠し場所だとの確信を得、二等軍曹チーフ(アイス・キューブ)を仲間に引き入れ、4人で上官には内緒で金塊探しにハンビーで出かけます。
地図を頼りに訪れた村では、イラク軍兵士たちがフセイン打倒を図る村人たちを迫害していました。金塊を探し出した彼らでしたが、惨状を目のあたりにしてそのまま立ち去ることが出来ず、村人たちを救出しようとするのですが・・・。
ブッシュに駆り出され、その意味もなく砂漠の戦場に立った若者たち。彼らにとっては意味のない戦争も終結し、晴れて帰国できる歓びとともに、その後の生活の心配をしなければならない。そんな時舞い込んだ一攫千金話。誰でもそんな美味しい話には乗りますよね。総額5000万ドル以上ですから。
でも彼らの夢が、レクサスだのインフィニティのオープンだのってところが面白い。そして目先の金に目がくらんだ彼らも、結局は人とその命の尊さ、人との約束の大切さに突き動かされてしまう。そういう意味では、ジョージ・ブッシュとネオコンと呼ばれた彼の側近たちへの、痛烈な批判でもあります。資本至上主義による机上の世界戦略には、本当の意味の人道と言うものがごっそり抜け落ち、それはそこで行われている戦いの場でしか身に沁みて実感できない。
しかし、かといって世界中がマザー・テレサにはなり得ないし、逆説的な意味で一国の利益、あるいは一部の人たちの利益を代弁せざるを得ない時もあるということなのでしょうね。
いずれにしても、世界覇権も武力鎮圧も、テロの直接的な標的でもない、ただの傍観者に過ぎない私たち日本人ですが、これをしっかり「他山の石」とすべきなんでしょうねぇ。もちろん、全体主義ではなく、ひとりひとりのポリシーとして。
ジョージ・クルーニーのファンの方に!エンディングには「U2」が流れますが、「Unforgetable Fire」ではありません。^_^;
出演:ジョージ・クルーニー,マーク・ウォルバーグ,アイス・キューブ,ジェイミー・ケネディ
監督:デヴィッド・O・ラッセル 1999年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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