2009.05.21
Time 邦題:絶対の愛
彼からの愛の不安から自分の顔を整形し、別の顔を持った女性のその後の愛を描いたダークサイド・ラブストーリー(?)ある意味、猟奇的な作品です。
付き合って2年になるセヒ(パク・チヨン)とジウ(ハ・ジョンウ)。しかし最近ジウのちょっとした言動が、自分に見飽きた彼の愛が薄れてきたのではと思い込んだセヒは、美容整形の扉を叩きます。
術後6ヶ月、晴れて新しい顔で生活を始めた彼女は、ジウの自分への愛が本物だったかどうかを確かめるため、あえて別人として彼に接触します。美しくなりセヒ本人とは気づかないジウは、親しく接してくる美しい彼女に心を許しますが、結局自分はかつての恋人セヒが忘れられないことに気づき、その対象とは別の顔を持ったセヒは、もう元には戻れずに・・・。
お隣の韓国は「整形大国」などといわれています。真偽のほどは定かではありませんが、男女を問わずあたり前のように美容整形しているとか。そういう社会に対する警鐘としての作品なのでしょうか?
顔が変わることで別人になった時、それまでの対人信頼関係、あるいは相手の感情とはどう変化するのか。本人の見た目だけの問題ではなく、あたかも昨日と今日が何の関係性も脈絡も持たなくなってしまった社会。そういう、パラレルワールドの別次元に落ち込んでしまうかもしれないという漠然とした恐怖心が、執拗にかつての恋人を追いかけるセヒの姿にダブります。
ってか、やっぱりこういうことはしちゃいけないというのが私の持論。美しくありたいと願う気持ちは何も女性だけではないし、永遠に若いままでいたいと願うのは、古今東西を問わずみな同じです。
だからこそ人は挑戦を続けたり、自分を磨いたり、いい男、いい女になろうとするのであって、その延長線上に自分の顔を作り変えるというのは、私的にはありえない。そんなことより、1冊の文芸に、一曲の名演に身を委ねる方がいい。
ということで、お子様たちとご家族でどうぞ!というのは真っ赤な嘘で、美容整形に興味のある人にだけお勧めします。整形後の方には、お勧めいたしません。
出演:ソン・ヒョナ,ハ・ジョンウ,パク・チヨン,キム・ソンミン,ソ・ジソク
監督:キム・ギドク 2006年
BOSS的には・・・★☆☆☆☆
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