2009.06.19
Polish Wedding 邦題:自由な女神たち
アメリカに住むポーランド系の家族を通して、愛やセックス、家族の意味を探るファミリー・ドラマ。テーマとしてはなかなかヘビーなのですが、コミカルなシーンなどもあり。
デトロイトに住むポーランド系の一家。夜勤でパンを焼く夫ボレック(ガブリエル・バーン)と掃除婦の妻ヤドヴィカ(レナ・オリン)のプショーニック夫妻。しかしヤドヴィカは、金持ちのユダヤ人ロマン(レイド・サーベンジャ)の愛人でもありました。
彼らには、4人の息子と一人娘の高校生ハーラ(クレア・デーンズ)がいました。彼らは、いわゆる「できちゃった結婚」で、長男とシリア人のソフィ(ミリー・アヴィタル)も「できちゃった結婚」という一家。奔放に生きるハーラは、ある夜地元の若い警官ラッセル(アダム・トレッセ)と中途半端に結ばれ妊娠してしまいます。
アメリカにはこういう民族社会と言うのがあって、黒人や中華系はもちろんのこと、ユダヤ人やアラブ人、ロシア系やアイルランド系といったさまざまな民族社会がそれぞれ映画化されていますが、本作は冒頭でもお話したようにポーランド系。父母の世代はあきらかに訛ってます。
そしてポーランドの国民性がそうなのか、ここでは女系が民族の中心であることを、主人公たちにほのめかさせます。セックスに奔放なのも女性たちだけ。男は「ただの種馬!」と言わんばかりです。そういう展開の前半は、この手の映画が苦手な私にはちょっと苦痛でした。
ただ、ボレックが妻の浮気の現場を勇気を持って確認したあたりから、展開はファミリーのありように若干シフトし、娘に「生むな!自由に生きろ!」といって責任を回避するラッセルを家族で攻め立てるシーンは、ややもすれば陰惨な展開をコメディタッチにしています。
結局、ありがちな結論へと物語りは無事終息するわけですが、「種を残すために生まれてきた女と言うサガ」的な展開は、どうもやはり首を縦に振るわけには行かない。愛してもいない男女が残してゆく子孫たちが繰り返す永遠の連鎖反応。いや、そもそも歴史とはそういうものなのでしょうか?
タイトルの「Polish Wedding」も、実は「磨いた結婚」でも「ポーランド風の結婚」でもなく、「できちゃった結婚」の意味らしい。カメラワークや役者たちの演技には拍手しますが、プロット自体に賛成も納得できないので、この評価です。すいません。
出演:レナ・オリン,ガブリエル・バーン,クレア・デインズ,ミリ・アヴィタル
監督:テレサ・コネリー 1997年
BOSS的には・・・★★☆☆☆
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