わたしは愚かな
真っ赤な金魚
あなたはわたしの金魚鉢
あなたといれば
あたたかくて心地よくて
いつもあなたは
私を守ってくれていた
外の世界はゆがんでは見えるけれど
あなたとこうしていられれば
わたしはずっとしあわせ
だったのに
そうだったのに
そうと知ったのは
そのことを知ったのは
私があなたのそばを
はなれてしまってから
鉢から出た金魚は
もうあの
あたたかいすみかに
戻ることもなく
息絶えるしか
ないことに
今頃わたしは
気がついた
わたしは愚かな
真っ赤な金魚
さようなら
わたしをいつも
包んでくれた
やさしいあなた
さようなら