2009.07.15
Poltergeist 邦題:ポルターガイスト
人の仕業ではなく物が動いたり音がしたりするいわゆる「心霊現象」のひとつであるポルターガイスト現象。そのポルターガイスト現象に見舞われたある一家の物語。原案・脚本・制作はスピルバーグ。同時に公開予定の「E.T.」とのダブルクレジットを避けたため、トビー・フーパー監督となったSFホラー。
新しく宅地開発された住宅地の一角に、モデル的に住むことになった開発不動産会社勤務の腕っきき社員スティーヴ(クレイグ・T・ネルンン)とその一家。いつもと変わらぬとある夜、放送が終わったテレビの前でうたた寝するスティーヴ。しかしその夜、5歳の末娘キャロル=アン(ヘザー・オルーク)がテレビと会話を始めました。
翌日の夜、再びテレビと会話を始めたキャロル=アン。しかし家は激しくゆれ、テレビからは霊のようなものが現れます。庭の大木が窓ガラスを突き破って家族を襲い、彼女はまぶしい光に吸い込まれるようにクロークに吸い込まれてしまいます。そしてテレビからは彼女の助けを求める声が・・・。
彼女を助けなければ・・・。スティーヴは超心理学の権威、レシュ博士(ベアトリス・ストレイト)に助けを求め、博士は助手二人を伴い、家の調査を始めたのですが・・・。
夏です、暑いです、ホラーです。と言うわけではないのですが・・・。本作はホラーと言ってもこれみよがしのこけ「脅し」的作品ではありません。その辺が、さすがスピルバーグ作品ということでしょうか?どちらかと言えば、「未知との遭遇」的不思議さ+恐さって感じでしょうか?
心霊現象に見舞われた家族の描写、カットはあきらかに他のスピルバーグ作品を彷彿とさせます。ですから、これでもか、これでもかと恐怖と言うよりおぞましき恐さを畳み掛けるのではなく、彼の作品らしさ、つまり「どうなるんだろう?」「どうなるんだろう?」と、次の展開を待ってしまう作品となっています。
確かに恐い物体も登場しますが、わけもなく襲われる恐怖ではなく、ちゃんと勧善懲悪的な構成になっているところが、スピルバーグ的カットとともにB級ホラーとは一線を画す作品としている理由でしょう。よほどの「おとっちゃま」な方以外には広くお勧めいたします。
ちなみに「ポルターガイスト」とは、ドイツ語で「騒がしい霊」という意味。もひとつちなみに、出演者の不思議な病死を招いた2作目3作目は、本作ほどにはお勧めしません。
出演:クレイグ・T・ネルソン,ジョベス・ウィリアムス,ベアトリス・ストレイト,ドミニク・ダン ,オリヴァー・ロビンス
監督:トビー・フーパー 1982年
製作・原案・脚本:スティーヴン・スピルバーグ
BOSS的には・・・★★★★☆
もっとムービー・アーカイブスはこちら >>> 「ムービー・インデックス」