2009.07.18
THE JACKET 邦題:ジャケット
記憶障害の治療中にタイムトラベルが出来るようになった男が、自らの死の真相に迫ることにより、生きることの意味を明らかにするSFサスペンス。「戦場のピアニスト」のアカデミー俳優エイドリアン・ブロディに「パイレーツシリーズ」のキーラ・ナイトレイ、C&Wのクリス・クリストファーソンにボンドのダニエル・クレイグが出演。ジョージ・クルーニーが製作のクレジットに名を連ね、音楽はロキシー出身の異才ブライアン・イーノです。
1992年。湾岸戦争で瀕死の重傷を負ったジャック・スタークス(エイドリアン・ブロディ)は、一命を取りとめ帰郷します。記憶障害となった彼は、そこで警官殺しの罪を着せられ無罪となりますが精神病院に送られることになります。
その病院で、ベッカー医師(クリス・クリストファーソン)に拘束着(ジャケット)を着せられ、死体安置用の引き出しの中に閉じ込められるという実験的な治療を受けます。引き出しの暗闇の中で彼は、過去の記憶のフラッシュバックに苦しむうちに、未来へとタイムスリップするようになります。
2007年にタイムスリップした彼は、若くて貧しいウェイトレス、ジャッキー(キーラ・ナイトレイ)と出会い、自身は1993年1月1日に死亡したという事実を知ることになります。引き出しから出ると現在に戻る彼は、1992年と2007年を行き来しながら、自らの死の真相を探り始めます。
初めはよくある反戦映画かと思ったのですが、正気と狂気のあいまいな境界を呈示しながら、人が生きるということと精神の問題を、主人公や周りの患者たち、彼らを治療する医師たちを通して描いた物語です。
いや、それもあくまでもプロットでしかなく、物語は謎解きと静かに忍び来る迫る主人公の死の時刻との静かな駆け引きの中で、ゆったりとしたサスペンスとともに進んでゆきます。21世紀の美女ナイトレイ、背中が思ったより汚いです(笑)。クリストファーソン、はまり役です。伊達男クレイグ、まあこんな感じでしょう。
で、私的にはあまり好きではないブロディ。ということで、わりと感情移入せずに傍観者的に見れてよかった。いやー、こんな役柄にはなりきりたくないですもの・・・。ナイトレイとのベッドシーンは別ですが・・・。彼自身はうまいですよ、役者としては。
結論としては、何気なく「生きている」時間を浪費している私たちに、時間を大切に!人には優しく!といったありがちなものなのですが、私たちが「生き」「楽しみ」「愛し合う」時間とは、永遠に流れ続ける時間の中では、ほんの瞬きするほどの時間でしかない、だからこそその時間を、今を大切にしなければと・・・。
出演:エイドリアン・ブロディ,キーラ・ナイトレイ,クリス・クリストファーソン,ジェニファー・ジェイソン・リー,ダニエル・クレイグ,ケリー・リンチ
監督:ジョン・メイバリー 2005年
音楽:ブライアン・イーノ
BOSS的には・・・★★★☆☆
おすすめ平均:
戦争体験者の理解を超えた苦悩
不完全燃焼。多くの人がエイドリアン・ブロディに期待していたと思う。
とても面白かったです♪
暗いです。
とても哀しい物語ですが
Amazon.co.jpで見る by Azmix
もっとムービー・アーカイブスはこちら >>> 「ムービー・インデックス」