2009.08.21
Up Close & Personal 邦題:アンカー・ウーマン
アメリカのTV報道番組で活躍する女性キャスターの成長と挫折、恋の行方を描いた作品。ちょっと老いてしまったロバート・レッドフォードをお相手に、美しい(だけだった)ミシェル・ファイファーが名演です。
子供の頃からニュース番組のアンカーウーマンを目指すタリー(ミシェル・ファイファー)は、マイアミにある小さなローカル局に採用されます。プロデューサーのウォーレン(ロバート・レッドフォード)の部下となった彼女でしたが、なかなかレポーターさえやらせてくれない。
キツイやり取りを経て、お互いを深く理解するようになり、愛し合うようになる二人。そんな彼女も、ある政治家への突撃レポートをきっかけに人気が出始め、フィラデルフィアのTV局から報道記者の仕事が舞い込んできます。
単身フィラデルフィアに乗り込んだ彼女を、人気アンカーウーマンのマーシャ(ストッカード・チャニング)は、事あるごとに目の仇にし、冷たくあしらいます。タリーが彼女を意識しすぎ、本来の自分らしさを見失ってしまっていると、彼女のマネージャーであるバッキー(ジョー・マンティーニャ)から知らされたウォーレンは、マイアミでの仕事もすべて捨てて、フィラデルフィアに駆けつけ、彼女を励まします。
再び自分らしさを取り戻したタリーは、次第に人気も実力もマーシャを超え、ついにアンカーウーマンの座を獲得します。そしてついにウォーレンと結婚。ある日、州知事に関する取材の一環で刑務所を取材訪問した彼女は、たまたま起こった刑務所内での暴動に巻き込まれます。
アメリカにおけるメディアの力は、今でこそ陰りが見え始めているものの、特に報道番組のアンカーは大統領さえ一目置くほどの存在感を持ちます。それだけ、政治や経済に関する見識を必要とすることと、何よりも「報道の中立性」をある意味ローマ法王よりも厳格に守らなければならない。
このあたりが、どっかの国のアンカーのフリをした言いたい放題のキャスターとは違う。おまけに国営放送までが、真似する始末。お隣の韓国では、キャスターが自分の意見でも言おうものなら、バンバン苦情が来るそうです。
そういう平和ボケと言うか、報道がリアリティのあるドラマ化娯楽化してしまったどっかの国の話はおいといて、そのアメリカでアンカーとなるには何が必要かをしっかりと伝えることにより、この作品がただのサクセス・ストーリーやラブ・ストーリーには終わっていません。
もちろん、2時間という時間制限の中で人一人の成長や挫折を伝える為に、かなりはしょった部分はあるとしても、それ以外をしっかりと想像で補えば、アンカー・ウーマン、いや沢山の人たちから尊敬を得るためには何が必要なのかを、実は教えてくれたりします。
下手をすると、その美しさやシーツからはみ出した片足に目もココロも奪われがちになるのですが、歳の差のあるレッドフォードが、妙なエロさを薄めてくれ、またおじさんたちに勇気を与えてくれるという側面も併せ持っています。
アメリカでは「大統領が勝手なことを言えない者がこの国に三人だけいる。三大ネットのチーフアンカーだ」という格言まであるそうです。
ちょっとうるうるします。エンディングで、用意された原稿を読むことなく、「報道は真実が基本です」と言い切ったタリーに拍手!
出演:ロバート・レッドフォード,ミシェル・ファイファー,ストッカード・チャニング,ジョー・マンティーニャ,ケイト・ネリガン
監督:ジョン・アヴネット 1996年
BOSS的には・・・★★★☆☆
おすすめ平均:
元気を出したい時に。
元ミス・ロサンジェルスのミッシェル・ファイファーには適役
くりかえし見ると切なさが
ときにはさわやかになりたい。
女性へのメッセージ
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