2009.09.29

COLUMN

「月」

会社帰り。今日は雨でしたが、いつもなら何気なく見上げる空。すっかり習慣になっています。あがりの早い日は、西の夕焼け空を。遅くなった夜は、南の空に輝く木星を。そして時折しか姿を現さない月を。

月は毎日、その姿を変え場所を変えます。満ち欠けはすれど、でも同じ顔をしている。月の裏側は、写真でしか見たことがありません。その写真が撮られ、人々の目に触れたのは1960年、いまから50年ほど前です。その表の顔は、有史以前から地球を、そして地球のいきとし生ける物を見続けてきたのに。

月がいつも同じ面を地球に向けていることを不思議には思わないかもしれませんが、実は月の自転と公転の周期が同じだから起こっていること。地球の場合は、自転が24時間で公転が365日ですから、いかに月と地球が異なった動きをしているかがわかります。

この月は、どのようにして出来たのか?いまだに定まった説はありませんが、最も信憑性が高いのは「巨大衝突説」と言われ、かつて地球の4分の1ほどの星、ちょうど太陽系の火星くらいの星が地球と衝突し、両方の星の内部の餡子のようなマントルが噴出して冷えて固まり、月ができたという説です。

下弦の月 鈍色の月

潮の満ち引きが月のせいなのはご存知の通り。満月には狼男になったり、「月の輝く夜に」のように人が誰かに夢中になったり・・・。でも、もし月が無かったら、地球の自転軸は今ほど安定した状態を保てず、地球上の気候も天候も乱れに乱れ、多くの生命がもっと早く危機に瀕したことでしょう。いや、もしかしたら等生命が誕生さえしてなかったかもしれない。

そんな月が住んだ空に輝く「中秋の名月」。今年の「十五夜」は10月3日です。そして再び満ちる11月の「十三夜」も、ひそやかにお祝いしましょう。月に見守られながら、穏やかに暮らせることに感謝して。

BGMは、野口雨情の「十五夜お月さん」。「荒城の月」もいいですよね。ベートーベンの「月光」かドビュッシーの「月の光」でもいいですよね。ああ、RUIの「月のしずく」も・・・^_^;

月のしずく by RUI

かたちあるもの by 柴咲コウ

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