2009.10.03
MATCH POINT 邦題:マッチ・ポイント
結婚により大金持ちのファミリーの一員となった元プロテニスプレーヤーの、欲望と野望の狭間で起こる事件を描いたラブ・サスペンス。いわゆるウディ・アレンらしくない、ウディ・アレン脚本・監督作品。
ロンドンにある上流階級向けのテニスクラブ。貧しい生まれのアイルランド人クリス(ジョナサン・リース・メイヤーズ)は、プロテニスプレーヤーとしてのキャリアに限界を感じ、クラブのテニスコーチの職を求めてここを訪れます。ほどなく親しくなったトム(マシュー・グード)は、大金持ちで大企業を経営するヒューイット家の長男。家に呼ばれたクリスに、トムの妹クロエ(エミリー・モーティマー)は一目ぼれしてしまいます。
そしてそこには、トムの婚約者でアメリカからやってきた女優志望のノラ(スカーレット・ヨハンソン)もいました。彼女の美貌と挑発的な態度に惹かれるクリス。しかし彼女はトムの婚約者。クリスは流れに身を任すように、しかししたたかにクロエとの交際を始めます。
クロエの口ぞえでヒューイット家の経営する企業の管理職として働き始めたクリスでしたが、ノラのことが頭から離れない。そしてある日、二人は関係を持ってしまいます。それでもクリスはクロエと予定通り結婚。一方のノラは婚約解消となりロンドンを去ります。
新しい生活が始まりましたが、二人の間にはなかなか子供が授からない。子供が欲しいクロエは、不妊治療に没頭し、二人のセックスはタイミングを見た子作りの儀式と化してしまいます。そんなある日、クリスはノラに出会い・・・。
と、ここまでは何なんだ〜の展開なんですが、ここからがすごい。まあよくある痴情的な展開ではありますが、前半に主人公が何故か読んでいたドフトエフスキーの「罪と罰」的なあっとおどろく展開があったり、それぞれが自分に対して自然に生きることが、いかに誰かを傷つけるのかという、まさに「罪と罰」的展開が待ち受けています。
この映画の主題は、99%の努力と1%の運。しかしわずか1%の運が、右に転ぶか左に出るかで、全く違った結果が待っているということ。しかし、運とはコントロールできないもの。結局、99%の努力を積み重ね、あとは天命を待つしかないのでしょうね。それも「人として正しく」。
ダイアン・キートンも本人も出ていない、初のロンドンを舞台にしたアレン作品。それにしてもスカーレット、胸でかいです。
出演:ジョナサン・リース=マイヤーズ,スカーレット・ヨハンソン,マシュー・グッド,エミリー・モーティマーブライアン・コックス
監督:ウディ・アレン 2005年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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