2009.10.14
The Fabulous Baker Boys 邦題:恋のゆくえ ファビュラス・ベイカー・ボーイズ
レストランやホテルでピアノを弾く、しがない兄弟ピアニストと一人の女性シンガーが織りなす、ラブ・ストーリーというよりはヒューマン・ドラマ?「追憶」監督のシドニー・ポラックがプロデュース、ハリーポッター・シリーズの脚本家スティーヴ・クローヴスが監督。当ブログの記念すべき333作目。
ジャック(ジェフ・ブリッジス)とフランク(ボー・ブリッジス)のベイカー兄弟は、「ザ・ファビュラス・ベイカー・ボーイズ」というデュオを組むジャズ・ピアニスト。シアトルのレストランやバーのステージで演奏をしていますが、最近はめっきり人気がなくなり仕事も途切れがち。そこでマネージャーも兼ねる兄のフランクは、デビュー17年目にして始めて女性ボーカリストを採用することにします。
38番目に1時間半遅れてオーディションにやってきたのは、スージー(ミシェル・ファイファー)。こうして新しい3人組で再スタートした彼らは、彼女の甘いボーカルが人気を博し、徐々に仕事も増えてゆきます。
安定を求める所帯持ちの兄フランクに対し、自らの音楽性を求めることとギャラのため意に反した演奏を強いられるステージとの狭間で悩む弟ジャック。そして高級リゾート・ホテルでのニュー・イヤーズ・パーティーでの演奏のあと、ジャックとスージーはベッドをともにします。兄フランクの、「仕事仲間と寝るなよ」という忠告を無視して・・・。
多いステージシーンではジャジーな曲が演奏され、BGMは音楽担当のデーヴ・グルーシンのロマンティックな調べが流れます。
こういう兄弟そして生まれ育ったら、誰でもたいがいはフランクやジャックのような人生を選択したに違いない。そしてうつろう時代の中で二人が迎えた逆境も変化も。そしてフランクの選択は?ジャックの決断は?
物語としては、普通にありそうなお話なので、強く印象に残るようなものはないのですが、作品としては細かいシーンの取り込みなど、カメラワークも含めよく出来ていて、単にミシェル・ファイファーのなまめかしい姿を見るためだけの映画には終わっていません。このへんがポラック作品の所以(?)。
人生はステージかもしれないけれど、ステージはひとつではない。そしてある時立ち止まり、これまでとはちょっと異なるステージに立つ、それも人生なんだと。そして明日からの人生は未来そのものであり、今の決断が大切なことをハッピーエンドではないエンディングはほのめかします。
ちょっとバブリーな匂いがする気がするのは、当時ロードショーで見たから?ジャジーでムーディーな映画の見たい方にもお勧めします。
出演:ミシェル・ファイファー,ジェフ・ブリッジス,ボー・ブリッジス,ジェニファー・ティリー
監督:スティーヴ・クローヴス 1989年
製作総指揮:シドニー・ポラック
音楽:デーヴ・グルーシン
BOSS的には・・・★★★★☆
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