2009.10.25
The Good The Bad and The Ugly 邦題:続・夕陽のガンマン 地獄の決闘
「マカロニ・ウェスタンの父」、セルジオ・レオーネの脚本・監督、売り出し中のクリント・イーストウッド主演、「夕陽のガンマン」の続編西部劇です。
1860年代、南北戦争末期の西部。ジョー(クリント・イーストウッド)とテュコ(イーライ・ウォラック)の二人は、コンビを組んで賞金を騙し取っていました。テュコが犯罪を犯して懸賞金のかかったお尋ね者になり、ジョーが捕らえて賞金を手にし、絞首刑の直前に助け出すという按配。
こんな商売、長続きすることはないと、ジョーはテュコを砂漠に捨てて消えます。怒ったテュコはジョーを探し出し、逆に罠にかけて捉え、砂漠の中の行軍と言う仕返しをします。
一方、南軍が運搬中の20万ドルの金貨が奪われ、どこかに隠されます。砂漠の真っ只中で二人が出会ったのは、その隠し場所を知る兵士の一人でした。瀕死の兵士から、金貨のありかを聞き出した二人は、その場所に向かいますが、北軍の軍曹となって奪われた金貨を探す流れ者のセサンテ(リー・ヴァン・クリーフ)は、捕らえたジョーとテュコから隠し場所を聞きだそうとします。
なんとか逃げ出した二人は隠し場所にたどり着きますが、そこにはセサンテの銃口が・・・。
典型的なマカロニ・ウェスタンですが、南北戦争というアメリカにとっては世界恐慌に比類する悲しい出来事をしっかりと描いていて、特にジョーの男気を際立たせます。
この映画、最初の10分間は全く会話がありません。いかにもそれらしい俳優のアップから、シチュエーションといいますか、雰囲気をしっかり作って、見るものを荒くれどもの西部の荒野に投げ込む手管。さすがはレオーネと言う感じ。
そして3者3様の際立つキャラクター。3人の思惑が絡み合って物語がどんどんと展開します。クリント・イーストウッド、若いです、渋いです。が、個人的には、悪役リー・ヴァン・クリーフがいい。まさに「西部の男」です。
南北戦争を絡めることで、逆に物語の色彩といいますか、作品としての巾を広げていて、ただのマカロニ・ウェスタンから一歩抜け出しているように思います。もちろん、音楽はエンニオ・モリコーネですので、むせ返るほどの西部の雰囲気ムンムンです。
「地獄の決闘」というのは、ちょっとやりすぎ???3時間の超大作(?)ですが、あっという間です。
ちなみに、マカロニ・ウェスタンというのは、実は日本だけのジャンル名。本場アメリカでは、このイタリア製の西部劇を「スパゲティ・ウェスタン」と呼んでいるのですが、日本に入ってくる際にスパゲティでは弱々しいと、太目の「マカロニ・ウェスタン」と名付けられました。名付け親は、あの「さよならおじさん」、故淀川長治さんです。
出演:クリント・イーストウッド,イーライ・ウォラック,リー・ヴァン・クリーフ
監督:セルジオ・レオーネ 1966年
音楽:エンニオ・モリコーネ
BOSS的には・・・★★★☆☆
おすすめ平均:
原題"The good,The bad,The ugly"と呼びたい。
人間による人間の映画
クリント・イーストウッドがかっこよすぎる
最高傑作
長尺だけど内容はシンプル
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