2009.11.28
Bird 邦題:バード
JAZZを聴くものならその名を知らない人はいないジャズ・ジャイアントの一人、チャーリー・バーカーの半生を描いたドラマ。監督はクリント・イーストウッド。彼の出演しない始めての監督作品で、同年には同じくジャスメン、セロニアス・モンクを主題にした作品も製作されました。
1940年代後半。ヨーロッパで参戦した第二次世界大戦や日本との太平洋戦争も終わり、戦勝ムードの中で賑わう夜の街にはビッグバンドによるダンス・ミュージックが溢れていました。
そんなバンドでサックスを演奏するチャーリー・パーカー(フォレスト・ウィテカー)とトランペット奏者のディジー・ガレスピー(サミュエル・E・ライト)たちは、譜面どおりの伴奏音楽というジャンルを超え、自らのインスピレーションを演奏する即興演奏、いわゆるインプロビゼーションにより、踊るための音楽から聴くための音楽として「JAZZ」を形作り始めます。
音楽史的には、モダンJAZZの創生期の「ビ・バップ」を始めた巨匠なのですが、その生涯、特に絶頂期は当時のジャズメンのお約束どおり、酒と薬に浸りきりの生活でした。
70年代のロックシーンにおけるアドリブ演奏のための「トリップ」と同様、このドラッグやアルコールによって研ぎ澄まされた感性が、一発の芸術、即興演奏を生み出すもとになるのですが、一方で人間的な生活や動物としての肉体をどんどん蝕んでゆくこととの引き換えに彼らが手にしたものなのです。
この作品は、自身の息子もジャズ奏者であるイーストウッドが、アイドルであるパーカーとその音楽を愛情を込めて、しかしその波乱に満ちた生き様をクールに描いた作品です。
モノラルからステレオになった時代のミュージシャンであり、コマーシャル的にもまだまだ一人の演奏家をフューチャーするような時代でもなく、そもそもライブ演奏が多くて、「オン・サボイ」だとか「オン・ダイヤル」だとか、ベスト版のような作品からしか覗けなかった人としての「バード」を垣間見ることの出来る本作、ジャズファンは必見です。
出演:フォレスト・ウィテカー,ダイアン・ヴェノーラ,マイケル・ゼルニカー,サミュエル・E・ライト,キース・デイヴィッド,マイケル・マクガイア
監督:クリント・イーストウッド 1988年
BOSS的には・・・★★★☆☆
おすすめ平均:
映画としてはいまいち、
ジャズの原点をイーストウッドはどう見たか。
April in Parisのシーンは良いですが。。。
ジャズの楽しみ方
音楽がいい
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