2009.12.12
FEMME FATALE 邦題:ファム・ファタール
1000万ドルのダイヤの行方を巡って繰り広げられるサスペンス映画。コアに名高いブライアン・デ・パルマ監督による、種も仕掛けもありの謎解き。
カンヌ映画祭の夜。集まるスターたちの影で密かに犯罪が計画されていました。映画祭の参加者の女性が身につけている1000万ドルのダイヤの略奪計画。予定通り事は進むかに見えましたが、ちょっとしたことで計画に狂いが生じ、女性カメラマンに扮していた犯行グループの一人ロール(レベッカ・ローミン=ステイモス)は、仲間を裏切って奪った宝石を持ち逃げします。
国外逃走をするためにはパスポートが必要。扮装してパスポートを手に入れようとする彼女。しかしうりふたつの女性と間違えられ、彼女の家に迎えられます。そこには夫と娘を事故で失って、自殺しようとする自分とそっくりの女性がいました。
タイトルの「ファム・ファタール」は、赤い糸で結ばれた「運命の女性」という意味と、男を破滅させる「魔性の女」という意味があります。運命によって大きく左右される人生と、そこに生きる魔性の女が描かれており、そのふたつのテーマが捩れながら物語は進んでゆきます。
エロいシーンや暴力的なシーンも結構あり、サスペンス的な展開もあってどっぷりと漬かり込みます。まあ私のような男の場合は、アントニオ・バンデラス演じるパパラッチのニコラスに感情移入でしょうか。体感は出来ませんが・・・^_^;
バンデラスもメロメロになるレベッカ・ローミン=ステイモス、ええ女です。エロイです。ついついぼーっと見とれていると、実はパルマの仕組んだ数々の伏線に気づかずに通り過ぎてしまいます。ポアロ並みの目が必要です。
そんな風に見てゆくと、結構見ごたえのある作品。もちろんエロさだけでも、「キャリー」を彷彿させるサスペンスだけでも十分楽しめます。ファイナル・サプライズもちゃんと用意されています。が、あくまでもパルマ作品。すべての方にはお勧めできません。
全編を通して流れるラヴェル作曲「ボレロ」の編曲は坂本龍一。推理小説ファンやサスペンス映画好きの方に。エロい映画が好きなすべての男性に。
出演:レベッカ・ローミン=ステイモス,アントニオ・バンデラス,ピーター・コヨーテ,エリック・エブアニー,エドゥアルド・モントート,ティエリー・フレモン,リエ・ラスムッセン
監督:ブライアン・デ・パルマ 2002年
音楽:坂本龍一
BOSS的には・・・★★★☆☆
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