2009.12.19
Norma Rae 邦題:ノーマ・レイ
アメリカ南部の紡績工場を舞台に、結婚や仕事、仲間を通して自立の道を見つけてゆくひとりの女性の物語。
アメリカ南部の町にある紡績工場で女工として働くノーマ(サリー・フィールド)。酒場の喧嘩で夫をなくした彼女は、2児の母。上の子供は夫の子供ですが、下の子供は夫亡き後生まれた未婚の子供でした。
ノーマの父と母も彼女と同じ工場で働いていますが、そこには組合はなく、働く人々は老若男女も白人黒人の区別もなく、劣悪な就業環境の中で搾取され放題でした。
ある日この町に、ニューヨークからルーベン(ロン・リーブマン)という一人の男がやってきます。ニューヨークに本部のあるアメリカ紡績工員労働組合から、この町の工場に組合を組織するために派遣されて来たのです。
彼女の前に現れたソニー(ボー・ブリッジス)と結婚し、組合活動に身を投じるようになるノーマは、ルーベンとともに工員たちの勧誘を勧めるのですが・・・。
組合が未組織な工場における資本家の搾取にあえぐ労働者たちと言う時代背景の中で、生まれ育った時代の流れに逆らうことなく流され、目の前に用意された日常に満足するノーマ。夫に先立たれ二人の子供を背負い、不倫に身を委ねる日々。
そんな彼女が、一人の女性として、いや一人の尊厳を持った人間として自我を持ち自立する。そのために必要だったことは、追い求めるべき理想であり、そのために気づき学ぶことでした。
私のような経営者の立場になると「組合」という言葉はどちらかといえばネガティブな響きなのですが、この作品はその正当性を訴えるたぐいの作品ではなく、あくまでも人が人と関わり合い、そのなかでだけ人は成長を遂げること。そしてそのために人は誰かを支え、また支えあうことのその大切さを描いた社会派ドラマです。
出演:サリー・フィールド,ボー・ブリッジス,ロン・リーブマン,パット・ヒングル,バーバラ・バクスレイ
監督:マーティン・リット 1979年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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