2009.12.26
The Old Man and The Sea 邦題:老人と海
ヘミングウェイの同名小説を、「OK牧場の決闘」で名を馳せたジョン・スタージェスが映画化した作品。たった一人で漁に出た一人の老人の物語。
妻に先立たれ、一人漁村の小さな家で暮らすサンチャゴ(スペンサー・トレイシー)は、84日間も漁の収穫がない。食うに困る彼に食事を運んでくるのは近くに住む少年(フェリッペ・パゾス)。「運」のせいにしながらも自らの老いを自覚し、少年と漁に出たいが自分の子供でないために誘うこともためらってしまいます。
そして次の日、いつものように一人小船で海に出た老人は、とてつもない大物のカジキマグロと出くわすことになります。
物語の大部分が大海原に浮かぶ小船の上で、疲労や睡魔と闘いながら獲物と格闘する老人の独り言です。ですから、大スペクタクルや今時のエフェクトなカジキとの格闘を期待すると、しっかりはずされます。本作は、初めから終わりまで、どこまでいってもヘミングウェイ・ワールド。
ということで大自然と人間との対峙を描きながら、どこかしら厭世観の漂う独特の味わいをご存じない方には、ただの退屈な古い映画かもしれません。
小説として出来のよいものを映像化した場合、文字から浮かび上がる想像の世界が、誰かの翻訳によって目の前にさらけ出されるため、とてもいいかとても悪いか、どちらかになってしまいます。
ヘミングウェイ好きの私にとっては、主人公の肌触りを感じるようないい時間をもてました。
出演:スペンサー・トレイシー,フェリッペ・パゾス,ハリー・ビレーヴァー
監督:ジョン・スタージェス 1958年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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