2010.01.11
Michel Vaillant 邦題:ミシェル・ヴァイヨン
アメリカのTVアニメシリーズを映画化した、自動車レースを舞台にしたアクション作品。原作はフランスで人気を博したコミック。リュック・ベッソンも脚本で参加しています。
冬のカナダで行われるラリー。チーム・ヴァイヨンのレーサー、ミシェル・ヴァイヨン(サガモール・ステヴナン)は、親友スティーヴ(ピーター・ヤングブラッド・ヒルズ)のマシンと共に、ボブ・クレイマー(フランソワ・ルヴァンタル)を敗り、優勝を飾ります。
続くアイスランド・ラリー。今回はミシェルの弟分であるデイヴィッド(スコット・スラン)がハンドルを握りますが、悪意を抱くクレイマーの工作によりレース中に事故死してしまいます。
悲しみに沈むデイヴィッドの妻で、自らもレーサーであるジュリー(ディアーヌ・クルージェ)は、夫の代わりに彼の夢だったル・マン24時間レースへの参戦を希望します。
そして6月。いよいよル・マンが始まります。今回のレースにはかつてヴァイヨンの宿敵であり、常に後塵を浴びてきたチーム・リーダーが5年ぶりに復帰。亡き父の屈辱を晴らすべく、チーム・オーナーである娘のルース(リサ・バルブシャ)は、ヴァイヨンに勝つための工作を次々と仕掛けますが、すべて水泡と化します。
とうとうチーム・ヴァイヨンのオーナーでミシェルの父であるアンリを誘拐。ミシェルに、レースに参加しかつリーダーに負けない限り父の命はないと脅迫してきます。そしてついにレースの幕は切って落とされます。
フランス作のコミックのアメリカ版アニメをベースにしたフランス映画というややこしい作品。しかも主人公たちはラリーに出たりサーキット・レースに出たりと、普通じゃありえない展開。レースカーで自宅に帰ってくるくらいはお茶の子さいさい。だって一般道をレーシングカーで移動したりするわけですから。
本作はそもそもがコミックがベースですから、レースの世界の常識との差異をいちいち取り上げてもしょうがありません。ここはひとつ、コミック的娯楽アクション作品としておおらかに鑑賞しましょう。
そういう切替をしてしまえば、私のようなコアなレース・ファンでも結構楽しめます。最近のヨーロッパ物に特有の美しい画面構成やシームレスなSFXの導入による迫力あるレースシーンは、フィクションとしてはなかなかのもの。テンポのよいストーリー展開も、見るものを飽きさせないままエンドロールとなります。
くどくどとした余計な説明をはぶき、小気味よいテンポと迫力あるアクションシーンを、美しい風景や映像でつないだ本作は、タクシー・シリーズを生んだフランスらしい活劇です。
出演:サガモア・ステヴナン,ディアーヌ・クルゲール,ピーター・ヤングブラッド・ヒルズ,ジャン=ピエール・カッセル,フィリップ・バス
監督:ルイ・パスカル・クヴレア 2003年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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