2010.02.09
相棒-劇場版- 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン
水谷豊と寺脇康文の名コンビが活躍するテレビ朝日の人気刑事ドラマ「相棒」の劇場版。
東京郊外でニュースキャスターがテレビ塔から吊るされて殺害される事件が発生します。一方、衆議院議員の片山雅子(木村佳乃)の事務所に届いた郵便が爆発、警視庁特命係の警部の杉下右京(水谷豊)と巡査部長の亀山薫(寺脇康文)は彼女の警護を命じられますが、海外出張のため空港に向かう車列が何者かに襲撃されます。そして現場には謎の文字が残されていました。
二人は、参加者が有名人を告発し断罪する会員制SNSの中に掲載された「処刑リスト」の中に、殺害されたキャスターと片山議員の名前を見つけます。殺人事件と襲撃事件、これらが特定の人間による連続殺人事件だとにらんだ二人は、サイトの管理者を突き止め捜査に出向きますが・・・。
なんといってもこのドラマの醍醐味は、東大出身の右京さんの明晰な頭脳による推理と、正義感と体力勝負の薫のコンビが難事件に挑む、そこそこ推理とそこそこサスペンス、そこそこアクションの展開。「そこそこゴルフ」はありませんが、周りの登場人物もいつもどおりです。
いつもは2時間ドラマなのですが、劇場版では2時間半ですので、展開としてはいつもよりもうひとひねりあります。テレビシリーズのファンの方は、それを「おまけ」とみるか「間延び」とみるかで評価が変わってきますが、プロットとしては本作はなかなかではなかったかと思います。
正直エンディングでの盛り上がりといいますか、一工夫がほしかったですが・・・。杉下警部が意外に熱くなってて正義感表現がいつもよりちょっと強すぎ、その分亀山の正義感による猪突猛進さがやや薄められた感もあります。
テレビ朝日開局50周年を記念して制作された本作は、もちろんテレビ版とは違ったカメラワークやロケーションなどコストのかかったずっしり感を供えていますが、細かいところではやはり「テレビ+アルファ」の域を出ていない。
殺害された死体の首辺りの動脈が脈打ってたり、反米ゲリラの持ってる武器がカラシニコフではなくM16やコルトだったり・・・いや、そんな重箱の隅つつきは不要ではありますが、少なくとも私のような映画ファンを標榜する人間にとっては、「映画代」を払ってみてもらうには最低限クリアすべきレベルと言うものがありまして・・・。
いやまあ、とにかく本作をご覧になる方は基本的にはシリーズ好き、「相棒ファン」の方々だと思いますので、なんだかんだ言わずに二人の活躍をでっかいスクリーンで楽しんでいただけます。
出演:水谷豊,寺脇康文,鈴木砂羽,高樹沙耶,岸部一徳,木村佳乃,西村雅彦,原田龍二,松下由樹,津川雅彦,本仮屋ユイカ,柏原崇.平幹二朗.西田敏行
監督:和泉聖治 2008年
BOSS的には・・・★★☆☆☆
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