2010.02.12
Conspiracy Theory 邦題:陰謀のセオリー
「リーサル・ウェポン」シリーズのキャスト&スタッフが、ジュリア・ロバーツを招いて制作したクライム・サスペンス。ありそで無さそな、いわゆる「陰謀史観」(コンスピラシー・セオリー)を巡り、主人公たちが巨大な陰謀に巻き込まれてゆきます。
ニューヨークでイエロー・キャブを転がすジェリー・フレッチャー(メル・ギブソン)。「陰謀論」マニアの彼は、夜な夜な乗客たちにさまざまな陰謀話しを語っていました。不思議なことに彼には、タクシー運転手になる前の記憶が全く無い。しかし今月もまた、月間のニュースレター「陰謀のセオリー」を発行しています。
ジェリーは、タクシーの運転手をしながら、一方で宿命のようにある女性の安否を気遣っていました。彼女の名前はアリス・サットン(ジュリア・ロバーツ)。司法省に勤める美人法律家です。
ある日、ニュースレターの取材の為に政府ナンバーの車を尾行していた彼は、それがCIAのものであることを突き止めた直後、何者かに拉致され拷問を受けます。しかし打たれた自白剤で返って奥底に眠っていた闘争本能が目覚め、重傷を負いながらも脱出。アリスを訪ねて司法省ビルに駆け込みますが、今度は逮捕され怪我の治療のため病院のベッドに手錠で繋がれることになります。
「世界はユダヤ人に支配されている」「CIA、KGB、モサドは一蓮托生」「9.11はモサドが仕組んだもの」・・・皆さんはこんな陰謀説を耳にしたことはありませんか?ほかにも自然現象と関連したお話とか、どうも偶然だけでは片付けられないようなものに出くわすと、きっと「やつら」の陰謀だ!と思ったり、しませんか?
こういういわばデマやハッタリが一般化することを陰謀史観といいます。本作は、そういうデマやハッタリの世界をいわば楽しみながら泳いでいた男が、いきなり本物の鮫に出くわす物語。デマ、ハッタリと言っても、本人は100%「やつらの」陰謀だと信じて疑わないわけですから、逆に本物の陰謀にも敏感なわけです。
で、かなりオタクな主人公を演じるのは、冒頭でもお話したとおり、リーサル・ウェポンのメル・ギブソン。もともとちょっと振った感じの男優さんではありますが、個人的にはいまひとつと言ったところでしょうか?お相手のジュリア・ロバーツの演技もまあそれなりといったところです。
展開的には、陰謀史観と陰謀そのものが入り乱れ、CIAやらFBIやらNYPDやら司法省やら入り乱れ、ジュリーも瀕死かと思いきやはっちゃけたりと、ややこしいといいますかわかりにくいと言いますか・・・。
先日この世を去ったサリンジャーの、「ライ麦畑でつかまえて」もさりげなく出てまいります。
物語自身の展開はなかなか複雑なジグソーパズルのようなのですが、映像化するとどうしてもその辺の切れ味が薄まってしまう。まあ逆に言えば、ピカード艦長を演じたパトリック・スチュワートまで引っ張り出してのキャスティングにより、娯楽映画としてなんとか土俵に残れた感あり。
えーっと、メルギブ・ファンの方に。ジュリア・ファンの方に。ピカード艦長好きの方に(笑)。個人的にはどうも、オタク物が好きになれなくて・・・。
出演:メル・ギブソン,ジュリア・ロバーツ,パトリック・スチュワート,ステファン・カーン
監督:リチャード・ドナー 1997年
BOSS的には・・・★★☆☆☆
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