2010.02.01
Crimson Tide 邦題:クリムゾン・タイド
ロシアのクーデターを機に全面核戦争の危機を迎えた中で、先制攻撃の為に出航した米原子力潜水艦を舞台に、意見の食い違う艦長と副長との対立を描いたドラマ。単なる密室兵器である潜水艦モノだけに終わらない、強大な威力の兵器を手にした指揮官としての役割や世界に対する義務を問いかけます。
ロシアの右派国粋主義者が軍の一部を掌握し、シベリアにある核ミサイル基地を占拠。アメリカと日本を標的とするミサイルの発射のための暗号解読も時間の問題と思われていました。
先制攻撃作戦遂行のため、ハーバード卒のエリート士官であるロン・ハンター(デンゼル・ワシントン)を副官に任命したたたき上げのフランク・ラムジー艦長(ジーン・ハックマン)と原子力潜水艦アラバマの乗組員たちは、早朝に基地を出航し、一路西太平洋を目指します。
目的海域に到達し、ペンタゴンからの核ミサイル発射準備の無線を受信したアラバマ。しかし直後にロシアの潜水艦に遭遇し、魚雷戦の最中に受信した次の指令は途中で途切れてしまいます。
先の指示を受けてミサイル発射準備を指示する艦長と、次の指示内容を確認すべきとする副長との対立が表面化し、艦内には緊張が走ります。そして副長のハンターは、ラムジー艦長の命令を服務違反として指揮権を剥奪、艦長室に軟禁しますが、その直後再びソ連原潜との魚雷戦が始まり・・・。
どうもやはり根っからの戦争モノ好きである私は、その中でも「潜水艦モノ」が大好き。作品数としては少ないのですが・・・。
ジーン・ハックマンにデンゼル・ワシントン、二人ともそのキャラを十二分に演じていて、思わずぐわーっと引き込まれてしまいます。気持ちは水深400mの海底です。
真っ向から対立する二人ですが、ある意味どちらも正しく、ある意味どちらも間違っている。軍規というシロクロを明確にしたドキュメントがありつつも、戦争と言う怪物の前には絶対的に正しい判断、正しい答えという概念自体が無意味となります。
結局、誰の為に生きるのか、何の為に生きるのか。それぞれ個人個人の判断が、時に世界の未来をも決めてしまう。それは我々のような小さな世界しか支配できない小市民でも同じことなのでしょうね。
戦争映画であり、狭い艦内に私たちをぎゅうぎゅうと押し込めるトニー・スコットの仕掛け。しかしリーダーとは、平和とは。そういうことも同時に意識させられるいい作品だと思います。ちなみに、クエンティン・タランティーノも脚本に参加しているそうです。
出演;デンゼル・ワシントン,ジーン・ハックマン,ジョージ・ズンザ,ヴィゴ・モーテンセン,ジェームズ・ガンドルフィーニ
監督:トニー・スコット 1995年
BOSS的には・・・★★★★☆
おすすめ平均:
潜水艦アクションの傑作の一つ
潜水艦は、それ自体自由に動ける、一つの国家と成り得る。
トニー・スコット監督作品の中で最高傑作
ヴィゴがいい味、出してます。
優れたサスペンス
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