2010.03.17
BANLIEUE 13 邦題:アルティメット
治安悪化のため隔離された街区に持ち込まれた中性子爆弾を巡り、二人の若者がギャングと対峙するノンストップ・アクション。ある意味、フランス映画らしーい映画です。
2010年、フランスの首都パリ。治安の悪化でコンクリート壁で隔離されたバンリュー13街区は、タハ(ビビ・ナセリ)とその一味が暴力と麻薬で支配していました。この街で生まれ育った若者レイト(ダヴィッド・ヘル)は、街を浄化しようとタハの麻薬を奪って廃棄。連れ去られた妹ローラ(ダニー・ヴェリッシモ)を奪い返し、タハを警察につれてゆきますが、街を撤退準備中の署長は武装した大勢のタハの手下の前に屈し、タハを開放、逆にレイトは法的に囚われてしまいます。
それから6ヶ月がたったある日、中性子爆弾がタハの手下によって奪われる事件が発生。誤った操作から24時間後には時限装置が働いて200万人の命を奪うことになります。
事件解決に送り込まれたのは、超人的な身体能力で難事件を解決する捜査官ダミアン(シリル・ラファエリ)。13街区に侵入するには街の様子に明るいレイトの手助けが必要と判断した上層部は、牢獄にいた彼を脱獄させ、二人はそれぞれ違う目的を持って13街区に侵入します。
のっけから走る走る、飛ぶし登るし・・・。ものすごいスピード・アクションで、目がくらくらしてきます。悪党どもが乗り回す車も、インプレッサとか日本車の改造車で、フランス、いやヨーロッパらしいチョイスです。このあたりは、原作者リュック・ベッソンの進言?
捜査官ダミアン役のシリル・ラファエリ、ジェイソン・ステイサムそっくりの風貌ですが、アクションの切れ味は若さのせいか一枚上手。一方のレイト役ダヴィッド・ヘルのスタント無しの飛んだり跳ねたりは、ハリウッド映画にはないしつこさと言いますか、こちらも先にお話したとおり圧倒されます。
まあ、物語的にもひとひねりはあるのですが、そういうことよりもとにかくスピード感のあるアクションをただひたすら楽しむだけの、格闘技のような作品。エロさもややこしさもなく、ひたすら視線を釘づけにしたまま、あっという間にエンディングとなります。
トランスポーターやTAXI以上に物語性が薄い、そうですねぇ、ステイサムの「アドレナリン」と向こうを張る本作。まあ、まあ、なーんにも考えず、感動も必要なく、ただただ、すかーっとするこんな映画もありかなと。大枚払って劇場まで足を運ぶかどうかは疑問ですが・・・。といいますか、こういう映画をしれーっと世に出してくる、フランスって大好きです。
出演:シリル・ラファエリ,ダヴィッド・ベル,トニー・ダマリオ,ラルビ・ナセリ,ダニー・ヴェリッシモ
監督:ピエール・モレル 2004年
原案:リュック・ベッソン
BOSS的には・・・★★☆☆☆
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