2010.03.13
Bullitt 邦題:ブリット
スティーブ・マックイーンの魅力全開、サンフランシスコの坂道を舞台に派手なカーアクションで有名な刑事物。イギリス人監督ピーター・イェーツのハリウッド第1回作品。1968年度アカデミー編集賞受賞。
組織の一員だったシカゴのジョー・ロスは、組織の金200万ドルを持ち逃げしサンフランシスコに着きます。シンジケートを暴いて名声を得ようとする政治家チャルマース(ロバート・ヴォーン)の依頼により上院で証言するためでした。
週明けまでの護衛を命じられたのは、サンフランシスコ警察の敏腕警部補ブリット(スティーブ・マックィーン)。しかしその夜、ホテルにやってきた2人の殺し屋によってジョーは襲撃され病院に運ばれます。
ICUで一進一退のジョーを付け狙う白髪の殺し屋。治療の甲斐なく死亡したジョーの遺体を密かに運び出したブリットは、彼がまだ生きているように装い、殺し屋たちをおびき出します。そして遂に、彼の乗った濃緑のマスタングGT390の前に、犯人たちのダッジ・チャージャーが姿を現し、坂道の連続するサンフランシスコの市街地で激しいカーチェイスが始まります。
イントロからしてかっこいい。カーチェイスを伴った刑事物の原点と言われる本作。今見てもものすごい映像です。ムスタングGT380 vs ダッジ・チャージャーの重量級対決!
そしてマックイーンのドアップも含め、どのシーンを見ても切れ味するどいカット。マックイーンのクールな演技を、ハリウッド初陣のピーター・イェーツがスマートに演出します。
マックイーンと言えば、「大脱走」や本作「ブリット」での本人によるドライビング、「栄光のル・マン」など2輪4輪との関係も深く、当時の私にとっては、クールなのに熱い、あこがれの存在でした。
40年以上前の作品ですから、町の風景から風俗、登場する小物に至るまで時代がかってはいますが、逆にそれが刑事ブリットの無臭なのに人間臭さを醸し出します。移民局の情報が流れてくるFAXが、シーンの緊張感とともに時代物ですごい。
ロバート・ボーン、顔に似合って憎まれ役、はまってます。ブリットの恋人役、美人女優ジャクリーン・ビセットも出すぎず地味すぎず。ブリットの上司役のサイモン・オークランドも、刑事物のボスの役割のはしりとして名演です。
そうそう、キーになる葉巻を吸いながらキャブを転がすタクシー運転手は、ロバート・デュヴァルなんですよね!
音楽は、この手の映画では彼しかいないラロ・シフリン。「0011ナポレオン・ソロ」でロバート・ヴォーンと一緒になったのは、本作の4年前なんですね!
70年代の終わりごろ、TOYOTAが若者向けのマークⅡの兄弟車「チェイサー」を発表した際のCM。サンフランシスコの町並みを走る真っ赤なチェイサーに草刈正男のナレーションが重なります。
「この街を、熱い目をして駆け抜けた刑事ブリット・・・」(だったかな?)
こういうシンプルだけど、切れ味鋭い作品は、大好きです。
出演:スティーヴ・マックイーン,ロバート・ヴォーン,ジャクリーン・ビセット,サイモン・オークランド,ドン・ゴードン
監督:ピーター・イェーツ 1968年
音楽:ラロ・シフリン
BOSS的には・・・★★★★☆
おすすめ平均:
タイトルバック
初めにブリットありき
マスタングVSダッジチャ-ジャ-
端役ながら美貌が光るジャクリーヌ・ビセットさま
スティーブ・マックィーンだけで十分
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