2010.03.10
FEVER PITCH 邦題:2番目のキス
熱狂的な大リーグ・ファンの恋人を持った女性の戸惑いを微笑ましく描いたラブ・コメディ。今回のラブコメの主演は、「50回目のファーストキス」のドリュー・バリモアと「TAXI NY」のジミー・ファロンです。
東部マサチューセッツ州ボストン、10月。成績優秀な生徒を連れて企業訪問にとあるビジネス・コンサルタント会社を訪問した高校の数学教師ベン(ジミー・ファロン)。そこにいたのはチャーミングだがやり手のビジネス・ウーマン、リンジー(ドリュー・バリモア)でした。
これまで自分と同じような野心家の男性と付き合っては破局の連続だったリンジーにとって、安月給で野心も野望もないベンは、素直でユーモア溢れる心安らげる存在になってゆきます。
二人とも30歳前後で、生涯の伴侶を見つけてもおかしくない年頃。リンジーは仕事に追われ、そしてベンは・・・
ベンは実は熱狂的なボストン・レッドソックスのファンでした。キャンプインすれば西海岸までおっかけをし、シーズンインともなれば伯父の残した永久シートで連日観戦。アパートの部屋は歯ブラシからカーテンなど、家中のありとあらゆるものがロゴマーク入り。洋服もその手のものばかりで、よそ行きのスーツもない始末。
最初は彼とともにホームグラウンドであるフェンウェイ・パークに詰めていた彼女も、次第に野球最優先のベンの行動に恋の行先きを見失い、ついに別れを告げます。
私は大リーグ・ファンではありません。たまにテレビで見るのは好きですが、ここといったひいきのチームがあるわけではありません。プロ野球では、もちろんカープファンです。熱狂的とは言いませんが、まあまあファンです。ベンの足元にも及びませんが、応援グッズレベルの物は持っています。真っ赤なレプリカ・ユニフォームとかメガホンとか・・・^_^;
で、ベンのとんでもない行動はとってもよく理解できます。そして冷静に見ればリンジーの、いわゆる一般人の視点も。人は何かに熱中すると、それが野球でなくてもビジネスやその成功でなくても、彼らと同じ思考・判断、そして行動をとるでしょう。最も近くにいるべき二人が同じベクトルならばそれはもう無常の喜びでしょうが、正反対の状態となるとそれはもう悲劇としか言いようがない。
いやそれは、GファンとTファンのカップルとかいう意味ではなく・・・^_^;
しかし、何かに熱中すること、何かのファンであることと、大切にすべき誰かがいることは次元が違う。本作でも歴史に残る試合を観にいけなかったことを悔しがるベンが、やがて再現性のない一期のゲームよりも誰かと一緒に時間を過ごすことのほうがはるかに大切なこともあることを知ることになります。
野球ファンに、大リーグファンに。どうもそういうことで恋愛がうまくいかない方に。どうやって野球嫌いの相方をボール・パークに連れて行こうかと悩んでる方にも。原題は「熱狂」の意。
出演:ドリュー・バリモア,ジミー・ファロン
監督:ボビー・ファレリー,ピーター・ファレリー 2005年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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