2010.03.26

Movies

KING KONG 邦題:キング・コング

1933年以来幾度となく映画化されてきたキング・コングを、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのピーター・ジャクソン監督が映画化した最新作。基本的なストーリーは同じです。2005年度アカデミー賞視覚効果賞・音響賞・音響効果賞受賞作品。

1933年、大恐慌真っ只中のニューヨーク。二流の演出と不況のせいで公演が中止になり解散した劇団の女優アン・ダロウ(ナオミ・ワッツ)は路頭に迷います。そんな彼女を救ったのは、出資者から解雇された映画監督のカール・デナム(ジャック・ブラック)。あとがない彼は、南の島への冒険旅行の映画を作ることに賭けていて、ヒロイン探しをしていたところでした。

kingkong.jpg作品自体には懐疑的だった彼女も、脚本が憧れのジャック・ドリスコル(エイドリアン・ブロディ)だと聞かされ快諾。主演男優のブルース・バクスター(カイル・チャンドラー)らとともに一行を乗せた貨物船「冒険号」は、逃れるようにニューヨーク港を出航します。

大金をちらつかせるデナムの意向を汲み、危険を承知の上で南インド洋に船を進めるエングルホーン船長(トーマス・クレッチマン)。ある日、霧に視界をさえぎられ、気がつくと船は幻の島「骸骨島」に難破してしまいます。

船長らに無断で島に上陸した撮影クルーたちは、どこからともなく現れた原住民に襲われ、囚われたアンは生贄として捧げられます。その相手は体長8mを越す大型のゴリラ「キング・コング」でした。

擦り切れそうなテーマの作品ですが、あの大作3部作を手がけ大成功に導いたピーター・ジャクソンがどんな21世紀映像を見せてくれるのか、それだけが楽しみでしたが、いい意味も悪い意味もその期待を裏切られました。

あの指輪シリーズを想像していた方には、ちょっとがっかりかもしれません。予算自体は250億円という破格のものなのですが、「どこにつかっちゃったの?」って感じ。もしかして長時間出演したTレックスのCGに費やしたとか???

そして長い。3時間は長い。どうしても3分の1は無用なような気がします。2時間という限られた時間でどれだけ作品化できるか。アカデミー賞受賞作品が3時間モノが多いのも問題なのかもしれません。コングと恐竜の決闘とか、飽きるほど見せ付けられ、一体「ジュラシック・パーク」を観に来たのか、はたまた「インディ・ジョーンズ」だったのかと首をかしげてしまいます。

ただ映像の美しさといいますか、シャープにフォーカスを合わせながら美しい映像を見せてくれます。好きなんです、こういう映像。「スクール・オブ・ロック」や「ハイ・フィデリティ」でおちゃらけていたジャック・ブラックのドアップさえ、美しく(?)撮れている。こういう映像は、指輪シリーズにはなかった撮り方で、アンドリュー・レスニーの新たな手腕なのでしょうか?

ヒロインのナオミ・ワッツは、1968年イギリス出身の女優さん。撮影当時なんと37歳、見えませんが・・・。彼女、「ザ・リング」に出てたんですよね!

この二人のキャスティングはなかなかで、B級の内容をプラス・アルファ加算することに成功しています。

ただ、脚本家ジャック役のエイドリアン・ブロディが個人的にはだめで・・・。「戦場のピアニスト」は喝采モノだったのですが、どうもあの鼻の形が嫌いで、ついつい鼻に目が行ってしまって・・・。

テーマとしては、言葉や知性を超えた愛情物語?いや、どうみてもアンがコングを見つめる眼差しは、大型ペットに対する眼差し以上のものではないような気がするのは、どうしても動物映画が嫌いな偏見ゆえ?

もっとも、あれこれ先入観無しに、ちょっとオカルトなアドベンチャーSFとしてみれば、なかなかの出来なのでしょう。アカデミー受賞作品だし。BOSS的にはがんばって★3つですが・・・。

出演:ナオミ・ワッツ,ジャック・ブラック,エイドリアン・ブロディ,アンディ・サーキス,ジェイミー・ベル,コリン・ハンクス,カイル・チャンドラー,トーマス・クレッチマン

監督:ピーター・ジャクソン 2005年

BOSS的には・・・★★★☆☆

キング・コング 通常版 [DVD]

おすすめ平均:4
5情熱のあまり混沌としているが、名作。
4やっぱり
5人間味たっぷりなコング・・泣かせどころ満載
4ピータージャクソンの夢
3うーむ...

Amazon.co.jpで見る by Azmix


もっとムービー・アーカイブスはこちら >>> 「ムービー・インデックス」

INDEX

CATEGORY

ARCHIVE