2010.03.01

Movies

On the Waterfront 邦題:波止場

ニューヨークの波止場を舞台に、労働者から搾取する殺人も辞さない組合に対して立ち向かう、一人の港湾労働者の姿を描いた社会派ドラマ。アカデミー賞、作品賞・監督賞・脚本賞・主演男優賞・助演女優賞・撮影賞・美術監督・装置賞(白黒)・編集賞受賞。

元ボクサーのテリー(マーロン・ブランド)は八百長試合が原因で引退し、今は波止場で港湾荷役の仕事をする日雇い労働者。ある夜、組合のTOPであるジョニー(リー・J・コッブ)の命令で友人の同僚を呼び出しますが、友人は手下たちによって殺されてしまいます。

waterfront.jpg組合の悪事を暴露することを恐れた口封じ。そんなジョニーたちのやり方に憤りを感じながらも、力で港を押さえ込んでいる彼らに逆らうことが出来ない搾取されるがままの労働者たち。

一方テリーは、休暇で神学校から実家に戻ってきていた友人の妹イディ(エヴァ・マリー・セイント)と出会い、二人はいつしか心惹かれあうようになります。

一方、組合の悪行に業を煮やした神父のバリー(カール・マルデン)は、労働者たちに神の元の正義を問いかけますが、ジョニーを恐れる彼らは押し黙ったまま。しかし、自分の身代わりに犠牲になった兄の復讐に、テリーは銃を持ってジョニーの酒場に向かいます。

マーロン・ブランドがアカデミー俳優となり、トップスターの仲間入りを果たした作品。監督は「紳士協定」「欲望という名の電車」、そして翌年の「エデンの東」、「草原の輝き」のエリア・サガン。赤狩りの時代に仲間の共産党員である映画関係者を司法取引したとして、物議をかもしました。

しかしハリウッドに俳優養成学校を設立し、そこで俳優の方法論を学んだマーロン・ブランドやジェームス・ディーンを世に送り出します。

そんな二人の組んだ本作は、シンプルでストレート、骨太な展開と、脇を固める個性派俳優たちによって、アカデミー作品たる堂々とした作品となっています。

神父役のカール・マルデン、あの「パットン大戦車軍団」では冷静なブラッドリー大将を演じてました。鼻がでかいですが、好きな俳優さんの一人です。

音楽はレナード・バーンスタイン。当時はまだかのマーラー・シリーズの前ですが、この作品の4年後にはニューヨークフィルの音楽監督に就任します。ただ、音楽自体はちょっと大げさと言いますか時代掛かって聞こえ、はたしてよかったのかどうか・・・。

出演:マーロン・ブランド,エヴァ・マリー・セイント,カール・マルデン,ロッド・スタイガー,リー・J・コッブ

監督:エリア・カザン 1954年

BOSS的には・・・★★★☆☆

波止場 [DVD]

おすすめ平均:5
5一言、傑作。
5演技者のお手本☆
5天才ブランドー!

Amazon.co.jpで見る by Azmix

もっとムービー・アーカイブスはこちら >>> 「ムービー・インデックス」

INDEX

CATEGORY

ARCHIVE