2010.03.24

Movies

Picnic 邦題:ピクニック

ブロードウェイでロング・ランを続けて1953年度ピュリッツア賞を受賞したウィリアム・インジの舞台劇を映画化した作品。大台目前!399本目の映画投稿です!

カンザス州の田舎町。大学時代の友人を訪ねて貨物列車でやってきた無一文の青年ハル(ウィリアム・ホールデン)は、さしあたりこざっぱりした洋服を手に入れようと沿線沿いのポッツ家の庭仕事をすることします。

老女一人暮らしのポッツ家で働くハルは、庭つづきのオウェンス家の人たちの注目の的となります。オウェンス家は、フロー夫人 (ベティ・フィールド)にマッジ(キム・ノヴァク)とミリー(スーザン・ストラスバーグ)の娘二人、そして独身の中年高校女教師ローズマリー(ロザリンド・ラッセル) の女ばかりの4人暮らしでした。

大学時代の同窓生で、父が大規模に経営する小麦倉庫に勤めるハワード(アーサー・オコンネル)と数年ぶりに再会したハルは、彼の口ぞえでその会社で働くことになります。ハワードはオウェンス家の長女マッジとの結婚を望んでいました。

この街では夏の最後を楽しむため、町中の人たちが川べりにピクニックに出かける習慣があり、その日はちょうどその催し物の日でした。アランはマッジを、ハルは末娘ミリーをつれてピクニックに出かけます。

夜になり、恒例の「ピクニックの女王」を決めるイベントが行われ、マッジは女王に選ばれます。その頃、オールドミスのローズマリーが連れ立った商売人のハワード(アーサー・オコンネル)がこっそり持ち込んだアルコールを飲んだ4人は酔っ払って・・・

「ピクニック」と言っても、この町で行われる催し物はちょっとした大イベント。見ようによっては、どっかの新興宗教の年に一度のお祭りのようにも見えますが、とにかく楽しそうです。

ウィリアム・ホールデン、本作の5年前に主演したビリー・ワイルダー監督の「サンセット大通り」でアカデミー主演男優賞にノミネートされ、アイドルから演技派に転向。50年代を通じて「ハリウッドで最も興業的に信頼できるスター」となりますが、本作当時はすでに37歳。どうみても大学を卒業したばかりのおバカな若者と言うには見た目が・・・。相当に「若い」という刷り込みをしないと、「いいおっさんが・・・」と思ってしまいます。

全体に芝居がかっているといいますが、会話もその内容もアクションもキスシーンさえもオーバーアクション、まるでディズニーのアニメを見ているようなあのぐらんぐらんする印象を受けるのは、そもそもが舞台劇だったからというよりは、本人自身が舞台俳優だった監督ジョシュア・ローガンが気合を入れすぎたため?

美しいだけのおバカな娘にしか見えないマッジ役のキム・ノヴァクともども、どうも個人的にはミスキャストのような気がしてならない。物語自体はなかなかおもしろいと思ったのですが、アカデミー賞も美術監督・装置賞と編集賞しか受賞しなかったのも、そういう理由なのでしょうか?

アカデミー賞受賞作品、などと構えず、1955年の純愛映画として見れば、それなりに楽しめる作品です。

出演:ウィリアム・ホールデン,ロザリンド・ラッセル,キム・ノヴァク,ベティ・フィールド,スーザン・ストラスバーグ

監督:ジョシュア・ローガン 1955年

BOSS的には・・・★★☆☆☆

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