2010.03.07
The Man Who Would Be King 邦題:王になろうとした男
中央アジアの非文明国の財宝を手に入れようと目論み奔走する2人の男を描いた冒険物語。原作はルドヤード・キプリング、監督は巨匠ジョン・ヒューストン。主演は007シリーズでボンドを演じたショーン・コネリーにマイケル・ケイン。
大英帝国が強大な力を伸ばしていた19世紀末のインド。現地の英字新聞の特派員ルドヤード・キプリング(クリストファー・プラマー) が、深夜のオフィスで原稿を書いていると、ボロ布をまとった乞食のような男が立っていました。その男はピーチ・カーネハン(マイケル・ケイン)と名乗りますが、キプリングは思い出せない。
その男がかつて溌剌とした青年だったことを思い出したキプリング。そして酒を勧めた彼からは、信じられないような物語を語り始めます。
ある日、軍人であるピーチと彼の友人であるダニエル・ドレイボット(ショーン・コネリー)が彼の前に現れ、カフィリスタンに出向いてそこの王になる計画を打ち明けます。ヒマラヤの奥にあるカリフスタンは、アレキサンダーの遠征以来、白人が足を踏み入れたことの無い辺境の地。
キプリングの制止を無視して、二人は気狂い行者と召使いに扮し北へ向かいます。そして次々と小国を征服することに成功した二人は、やがてドレイポットはアレキサンダーの息子に間違えられ、その結果カフィリスタン王と認められることになります。
紀元前300年ごろ、マケドニアの王として中央アジアを征服したアレキサンダー大王。コリン・ファレルが扮したオリバー・ストーン監督の「アレキサンダー」がありましたが、その物語を予備知識として持っていると結構楽しめます。一攫千金の野望を持った二人の男は、意図せずアレキサンダーの足跡をたどり、そして意図せず莫大な財宝よりも「王」として国を治めることに目覚め、そして・・・。
富、権力、名声、そして女性(?)。男の愚かな野望は、いつの時代にも勇敢に逆境の中を突き進み時代を変え、また愚かに長大な織物の中に消えてゆきました。そんな野望と言いますか、はるかな夢をもてなくなった現代、萎縮した精神で生きることを余儀なくされる管理された現代社会がはたして人類にとって幸せなことなのか?
きっとそうだとは思うのですが、ドレイボットのような生き方もありなのかなと。二人のイギリス人のキングス・イングリッシュが、砂漠の粉塵まみれの物語にそこはかとない気品を漂わせます。モーリス・ジャールの音楽も地味ですがさすがです。
出演:ショーン・コネリー,マイケル・ケイン,クリストファー・プラマー,サイード・ジャフリー
監督:ジョン・ヒューストン 1975年
音楽:モーリス・ジャール
BOSS的には・・・★★★☆☆
おすすめ平均:
男ならいざ冒険の旅へ!!
巨匠ジョン・ヒューストンが生涯最も撮りたかった破天荒で壮大なロマン溢れる傑作。
役者もいいけど脚本も意外性あり
ショーン・コネリーの復活
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