2010.03.04
The Ten Commandments 邦題:十戒
20世紀前半の映画創世記に最も成功した映画監督セシル・B・デミル監督が、75歳にして20数年ぶりにあらためて取り直した、旧約聖書の「出エジプト記」を原作として制作された大スペクタクル作品。主演はチャールトン・ヘストン、共演はユル・ブリンナー、アン・バクスター他。
エチオピアもその支配下に置いたエジプトがその勢力を最大限に拡大していた時代、シナイ半島のヘブライ人たちは奴隷として都の建設の重労働を強いられていました。
多くの奴隷たちのわずかな希望は救世主の出現。そしてある日一人の男の子が産まれ、占い師により救世主の誕生を告げられたエジプト王ファラオ、セティ1世(セドリック・ハードウィック)はエジプト中のヘブライ人の男児をすべて殺すよう命じます。
殺害の手から逃れるため、その子供はかごに入れてナイル川に流され、沐浴中の王女ベシア(ニナ・フォック)に拾われます。彼女には子供がいませんでした。そしてその男の子をモーセと名付け、自分の子供として育てます。
文武に優れ立派に成長したモーゼ(チャールトン・ヘストン)は、王からも跡継ぎとしての資質を認められますが、後継を狙う異母兄のラメセス(ユル・ブリンナー)にその出生の秘密を暴かれ、砂漠に追放されます。
その後はご存知の方はご存知の通り、モーゼがシナイ山まで何とかたどり着き神の啓示を受けて、エジプトに戻り奴隷を解放。岐路の紅海で例のぐわっと海を割り、追っ手から民を助けます。開始から3時間15分ごろ、かの有名なシーンがやってきます。そうです、長いんです、この映画。230分、3時間50分あります。
現代の映画の標準からすれば、結構無駄なシーンもあります。展開的に工夫する余地もあります。しかし、この時代にこんな作品を世に出したハリウッドは、やはりすごいところです。制作費は1300万ドル以上、当時の為替レートで言えば、50億円弱ですから!ちなみに興行収入はその5倍だとか・・・
とにかくこの作品を見れば、旧約聖書の最もスペクタクルな一巻「出エジプト記」がまる分かりになるわけで、各宗派の方々はもちろん、歴史好きの方にも、スペクタクル史劇好きの方にもお勧めいたします。50年前の「レッドクリフ」?
赤ん坊時代のモーゼはなんとフレイザー・ヘストンって、チャールトンの息子、ナレーションはセシル・B・デミル本人です。かつてヘストンは私たちのヒーローでしたから!海が割れるシーンは、一度見たら忘れられない、なるほどのアカデミー賞特殊効果賞受賞。
出演:チャールトン・ヘストン,ユル・ブリンナー,アン・バクスター,セドリック・ハードウィック,,イアン・キース,ニナ・フォック,ジュディス・アンダーソン,ヴィンセント・プライス
監督・脚本:セシル・B・デミル 1957年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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