2010.04.11
Heartbreak Ridge 邦題:ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場
数々の戦争を潜り抜けてきた退役目前の老軍曹が、平和ボケしてしまった若い兵士たちを鍛えなおし、海兵隊の誇りを教える戦争物というよりはヒューマンドラマ。監督・主演はクリント・イーストウッド。
古参の軍曹トム・ハイウェイ(クリント・イーストウッド)は、朝鮮戦争やヴェトナムの戦火を潜り抜け、その軍歴のすべてを海兵隊に捧げてきました。喧嘩に強く、飲んだくれで酒癖が悪く、しかも頑固一徹。そんな彼も退役目前となり、その軍歴をスタートさせた第二海兵隊偵察小隊に再役を志願します。
古巣に戻った彼を待っていたのは昔馴染みと戦友、そして別れた妻アギー(マーシャ・メイソン)でした。しかし彼の戻った部隊はすっかり平和ボケしてしまっており、将校たちは戦闘経験のない士官学校出やフットボールでならした補給部隊上がり。兵士たちの日常にも戦争や戦いの文字は一言もない、乱れた兵舎生活を送っていました。
着任早々、若い兵士たちをしごくトム。最初は反発していた若者たちも、次第に経験が自らの命を救ってきたトムを理解し慕うようになってゆきます。
そして遂に彼らに実戦配備の命令が下ります。
クリント・イーストウッド自作自演シリーズの1作。戦争映画というにはちょっとぬるいですし、新兵を鍛え上げるパターンとしても、「いつの間に?」の感、拭えず。かといってハイウェイ軍曹は、それほど苦悩するわけでもなく、反抗する若い兵士たちともスムーズに仲良しになったり。
後半30分はグレナダ侵攻シーンなのですが、キューバ政府軍、弱い、弱い。まるで「コンバット」を観ているように敵ばかりバッタバッタとやられてゆきます。見方にも死者が出るのですが、スルーします。
結局、「海兵隊バンザイ!」と観ている私たちが思えるほどの感情移入も感動もさせられませんし、太平洋戦争中に誕生した「海兵隊ってなんぞや」という疑問といいますか、存在意義といいますか、誇りの意味も伝わらないまま・・・。
いや、そんなコ難しいことを考えず、ひたすらちょっと年取ったイーストウッドを観て楽しむ作品なんでしょうねぇ。それにしてもトムの小声のだみ声じゃぁ、戦場で聞こえないのでは???喧嘩もちょっと異常に強すぎだし・・・。
やはり私の中のイーストウッドは、ダーティーハリーまでだったのでしょうか?それにしても、ナンタルチア、この邦題は!?
出演:クリント・イーストウッド,マーシャ・メイソン,エヴァレット・マクギル,モーゼス・ガン,アイリーン・ヘッカート
監督:クリント・イーストウッド 1986年
BOSS的には・・・★★☆☆☆
おすすめ平均:
愛「と青春の旅立ち」イーストウッド版
これ面白いよ!
いつまでも観られる、コレクション向きな作品
大傑作「グラントリノ」の原点とも言うべき"男心"をくすぐる感動作。
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