2010.04.07
The Aviator 邦題:アビエイター
第2次世界大戦前後のアメリカで、映画と飛行機に情熱をそそいだ富豪ハワード・ヒューズの半生を描いた伝記モノ。レオナルド・ディカプリオ主演で監督はマーチン・スコセッシ、撮影はロバート・リチャードソン、美術担当はダンテ・フェレッティ。アカデミー賞助演女優賞・撮影賞・編集賞・美術賞・衣装デザイン賞、ゴールデングローブ賞・作品賞・主演男優賞・作曲賞受賞。
1927年アメリカ。21歳の青年ハワード・ヒューズ(レオナルド・ディカプリオ)は、親の遺産をすべてつぎ込んで、壮大な航空機アクション映画の制作に着手します。さまざまな困難を乗り越えて完成させた映画「地獄の天使」は喝采を浴び、一夜にしてハリウッドの寵児となります。
人気女優のキャサリン・ペップバーン(ケイト・ブランシェット)と恋におち、また航空機メーカーを設立して自ら操縦桿を握ってのテスト飛行、一方で次作映画の製作と多忙の中でも人生を謳歌するハワード。しかし些細ないさかいからキャサリンと破局、次に彼が選んだのは15歳の新人女優フェイス・ドマーグ(ケリー・ガーナー)でした。
ある夜、ハリウッド一の美女エヴァ・ガードナー(ケイト・ベッキンセール)を誘って食事に出かけた二人の車に突っ込んできたのはフェイスの運転する車。ハワードはゴシップ誌の餌食となります。
その頃、全霊を注ぎ込んだ新型機が完成。自ら操縦桿を握って初飛行を行い、最高速度記録を塗り替えた直後、機は操縦不能となりハリウッドの住宅街に墜落。ハワードは瀕死の重傷を負います。
親から受け継いだ莫大な遺産を、好きな映画作りと飛行機作りにつぎ込むという、男なら誰しも憧れる生き様を生きた主人公。しかし冒頭のワンシーンで主人公は、異常なほどの潔癖症に育てられたことが示されます。
ただ展開的にはそれだけではなく、彼がいかに空と映画に焦がれて成長してきたかという刷り込みがもう少し欲しかった。3時間近くあるのに・・・。
ただ、展開やカット、美術、脚本、つまり映画そのものはまさしくスコセッシ・ワールド。ええですわ、好きですわ、こういう映画。
ディカプリオ、アカデミー賞レベルには満たなかったようですが、なかなかの熱演です。お相手役のケイト・ブランシェットも、地で行くハリウッド・スター役?エリザベスとは対照的な、一人の女性を演じています。
ケイト・ベッキンセイルはもったいない役。ハリウッド一の美女役なのですが、彼女の持つ美しさを描ききっているとは言いがたい。この辺は、彼女に思い入れの強いワイズマン監督にはかなわなかったようです。
「天才と狂気は紙一重」などと言うつもりは全くないのでしょうが、ひらめきと決断力、行動力の人ハワード・ヒューズ。大切なことはそこです。
出演:レオナルド・ディカプリオ,ケイト・ブランシェット,ケイト・ベッキンセイル,ジョン・C・ライリー,アレック・ボールドウィン
監督:マーティン・スコセッシ 2004年
BOSS的には・・・★★★★☆
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