2010.04.23
The Towering Inferno 邦題:タワーリング・インフェルノ
パニック映画のはしりにして代表作。サンフランシスコの超高層ビルで起こった火災の中で、迫りくる煙と炎と戦う建築家と消防隊長を描いたドラマ。主演はポール・ニューマン&スティーヴ・マックィーンという2大スターにその他数知れぬ豪華キャスト。2時間40分、アカデミー賞撮影賞・編集賞・歌曲賞受賞。
サンフランシスコに完成した地上138階建ての超高層ビル「グラス・タワー」が、記念すべき落成式を迎えていました。感慨深げに屋上から市外を見下ろすのは、ビルの設計者ダグ・ロバーツ(ポール・ニューマン)とオーナーのジム・ダンカン(ウィリアム・ホールデン)。
超多忙な建築家ダグは、工事主任のギディングス(ノーマン・バートン)と打合わせをすませ、久しぶりに婚約者のスーザン・フランクリン(フェイ・ダナウェイ)と二人だけの時間をもちます。しかしその頃、静かに惨事は始まっていました。
地下の発電機の故障から配線がショート。そして81階にある小さな倉庫で火災が発生します。保安主任ハリー・ジャーニガン(O・J・シンプソン)からの連絡を受けたダグは、ダンカンの義理の息子である電気工事を請け負ったロジャー・シモンズ(リチャード・チェンバレン)の手抜き工事を責めますが時すでに遅し。最上階で行われている完成披露パーティーの中止を申し入れますが、技術の粋を集めたビルが燃えることはありえないと、ジムは取り合いません。
火災通報を受け現場に急行した市の消防署隊長マイケル・オハラハン(スティーヴ・マックィーン)は、火災発生階のすぐ下の79階に司令所を設置。ロバーツからビルの説明を受けたマイケルは、早速隊員たちとともに消火活動に取り掛かりますが・・・。
映画制作の2大会社、WB社とFOX社が初めて手を組んで完成させた作品で、そのため主にWB作品に出演していたスティーブ・マックイーンと、同じく20世紀FOXに出ていたポール・ニューマンという当時の2大スターの夢の共演が実現した作品です。
迫りくる火災の恐ろしさやリアリティという点では、1991年ユニバーサル作品の「バック・ドラフト」がなんと言っても最高作品ですが、74年当時にビル火災、それも超高層ビルでの火災と群集のパニックを扱った点で、先駆的な作品ですし、当時の特撮技術(!)を駆使して迫力ある映像を見せてくれます。
一方でただのパニック映画としていないのが、平行して進行する豪華キャストによるドラマ展開。フレッド・アステア、ジェニファー・ジョーンズ、ロバート・ワグナーなどなど。悪役政治家の役の多いロバート・ヴォーンも、本作では人命救助に奮闘しています!(笑)
どんなに資金と技術をつぎ込んでいようが、人の作ったものは所詮「砂の城」でしかない、あるいは「蟻の穴からダムが崩れる」と言われるとおり、ささいなことがすべてを元も子もなくしてしまうことになる。
家庭や人間関係、会社や組織を維持することも同じかもしれません。それは「カネ」や「ノウハウ」ではなく、また表面の綺麗事に気をとられていると、知らない間に蝕まれてしまっている。
という、何からでも学ぼうとするこの姿勢!しかし現実に生かされないのはどうしようもないのですが・・・。とりあえず、スティーブ兄貴、かっこええですわ!
出演:スティーブ・マックイーン,ポール・ニューマン,ウィリアム・ホールデン,フェイ・ダナウェイ,フレッド・アステア,スーザン・ブレークリー,リチャード・チェンバレン,ジェニファー・ジョーンズ,O・J・シンプソン,ロバート・ヴォーン,ロバート・ワグナー,スーザン・フラネリー,シーラ・アレン,ノーマン・バートン,ジャック・コリンズ
監督:ジョン・ギラーミン 1974年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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