2010.05.14

Movies

Braveheart 邦題:ブレイブハート

13世紀末のイングランドによる圧制に苦しむスコットランドの自由と独立の為に戦った実在の人物、ウィリアム・ウォレスの実話を基にした歴史ドラマ。「リーサル・ウェポン」のメル・ギブソンが監督兼主演。アカデミー賞作品賞・監督賞・撮影賞・音楽賞(ドラマ部門)・メイクアップ賞・音響効果賞受賞作品。

冷酷なイングランド王エドワード1世(パトリック・マクグーハン)の圧政下にあるスコットランド。父をイングランド軍に殺された少年は、故郷を遠くはなれた伯父の元で教育を受けて成長します。成人となって再び故郷の地を踏んだウィリアム・ウォレス(メル・ギブソン)は、好戦的な父親とは異なる平和主義の申し子となっていました。

braveheart.jpg.jpg美しく成長した幼なじみのミューロン(キャサリン・マッコーマック)とすぐに恋に落ちたウィリアム。イングランドの悪法「初夜権」を逃れてひっそりと結婚式を挙げる二人。しかし彼女に乱暴しようとした兵士によって彼女は惨殺され、復讐を誓ったウォレスは、ついに剣を持ちます。

そんな失うもののない彼の勇敢さに惹かれ、次々と兵士が集まり、大軍を擁する反イングランド勢力になってゆきます。

抵抗勢力を抑えイングランドの治安を維持したいエドワード1世は、数千の大群を送り込んできますが、戦略と機知に長けたウォレスの軍は、3倍ものイングランド軍を撃破。スコットランドの貴族たちから「サー」の称号を与えられます。

このままでは自らの覇権に影響が出ると案じたエドワード1世は、男色の息子エドワード王子(ピーター・ハンリー)の妃で、フランスから嫁いで来たイザベル(ソフィー・マルソー)を停戦交渉に送り込んできます。

同性愛者の王子と愛のない生活を送っていた彼女は、逞しく純粋な輝く瞳をしたウォレスに一目惚れします。交渉不調のままイングランドに帰国した彼女は、王が停戦交渉の間にも軍を進めていることを知り、密かにウォレスに密書を送ります。

すでに四面楚歌となったウォレスは、スコットランドの貴族たちに援軍を求めます。若い貴族ロバート・ザ・ブルース(アンガス・マクファーデン)は、夢に生きるウォレスに同調しますが、らい病に苦しむ彼の父は、息子をスコットランド王にしたいがため、エドワード1世と裏で確約を交わします。

そうとは知らないウォレスたちは、エドワード1世本隊との決戦に挑むのですが・・・。

ウィリアム・ウォレスのお話は、ドキュメントとして耳にしていて、蛮族の一人くらいの印象しかなかったのですが、逆にここまで誇張されると、リアリティのそがれた、なんだかスコットランドの独立を支援するプロパガンダ映画みたいに思えてしまいます。

数千人のエキストラを要した合戦シーンは、迫力と言うよりリアリティといいますか、現実的なめちゃくちゃ混乱状態で、これはこれで「木枯らし紋次郎」のチャンバラを見ているようでなかなかよかった。

しかし長い。長すぎます。3時間です。3時間ないとアカデミーの土俵にのらないのか?いや見てると結構無駄なシーンや、無用に長いシーンがある。あと30分は縮めても、かえって小気味よくなるような気がするのですが・・・。

実在のウォレスが、果たして国とか平和とか秩序とかという大儀を持って戦っていたのか?もしかするとこの作品の主人公のように、痴情に駆られて殺人鬼となってしまったのか?

その辺はよくわかりませんが、私にとって「リーサル・ウェポン」の刷り込み激しいメル・ギブソンは、取り澄ました次の瞬間にはあのドタバタギャグをやらかすのではないかと、ついつい笑いをこらえてみてしまう。

実際の彼も憂鬱病なんだそうで、あれはまったく性格俳優ってことなのでしょうね。

アカデミー6部門受賞ですし、そのメッセージも分かりやすい。のですが、個人的にはどうもすわりが悪いと言いますか、すとんと落ちてこない。悲劇のヒーローだから、感情移入しにくいということもあるのかも知れませんが・・・。

私のアカデミー評価がおかしいのか?もし万一、アカデミー賞を裏で仕切っている方々がいるとしたら、自国の自由と独立をこの作品に重ねたのかと、いぶかしく思えてしまう。

アカデミー作品ハンターの方に、英雄伝のお好きな方に、ウィスキーならスコッチの方に。もちろん、メル・ギブソンのファンの方に。個人的には「★2つに限りなく近い★3つ」です。

出演:メル・ギブソン,ソフィー・マルソー,パトリック・マクグーハン,キャサリン・マッコーマック,ブレンダン・グリーソン

監督:メル・ギブソン 1995年

BOSS的には・・・★★★☆☆

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5人は皆死ぬが、本当に生きる者は少ない。
4史実と違う
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