2010.05.11

Movies

DRESDEN 邦題:ドレスデン、運命の日

第二次世界大戦下でヨーロッパ最大規模の市街地爆撃となった連合軍によるドイツ東部の古都ドレスデンへの無差別爆撃、いわゆる「ドレスデン大空襲」と、その爆撃に翻弄される男女を描いたドラマ。

ドイツ東部の歴史的な街、「エルベ河畔のフィレンツェ」と呼ばれる美しい街ドレスデン。時は大戦末期の1945年1月。アンナ(フェリシタス・ヴォール)は父カールの経営する病院で看護婦として働いていました。

食糧だけでなく、医薬品も全く足りない状況の中、懸命に看護に身を投じるアンナ。同じ病院の医師アレクサンダーは、そんな彼女にプロポーズします。

ある夜、爆撃を終えたイギリス空軍のランカスター爆撃機が、ドイツ軍のメッサーシュミットに撃墜され、パラシュートで脱出したパイロットのロバート(ジョン・ライト)は、民間人に銃撃され傷を負ってアンナの勤める病院の地下室に逃げ込んできます。

ロバートを見つけたアンナは、彼がイギリス人と知りつつ彼をかばいます。そして二人は愛し合うようになります。一方、少ない医薬品を集めてスイスに購入した病院に亡命しようと画策する父カールは、アンナとアレクサンダーの結婚式をすませて旅立つ準備を進めていました。

そしていよいよ運命の日、2月13日がやってきます。この日はカール一家がドレスデンを去ろうとするまさにその日でした。800機あまりの爆撃機が、歴史ある美しい街ドレスデンを目指して飛び立ってゆきました。

市街地の9割近くを破壊し、数万人の一般市民を巻き込んだ歴史的無差別爆撃だったこの「ドレスデン空襲」。戦後50年余り、市の中心部に壊滅したままとり残されていた「聖母教会」は、世界中から募金が集まり2006年に復興されます。

「東からドイツに侵攻するソ連軍を空から援護する」という大義名分のもと、戦略的には意味のない作戦で失われた数万とも数十万人とも言われる人々の命。そんなことは決してドレスデンだけの悲劇ではありません。

聖母教会の尖塔部分の復興には、実際に爆弾を落とした元イギリス軍人たちの寄付によったらしいのですが、結局攻めるほうも守るほうも、一人一人は被害者なのでしょうね。

作品自体は「メンフィス・ベル」のような費用がかけられないので、実際の戦時中の映像と不自然に重なったり、よく似たシチュエーションの「ハノーバー・ストリート」のような役者力に頼ることも出来ず、怪我して動けないはずの登場人物が、いきなりすたこら逃げたりと、B級レベルの作品です。

全映像の90%くらいカットして、「聖母教会」とそこに集う人々、そして戦後の復興を素直に追っかけたほうが、もっと感動的な物語になったような気がしますが・・・。というか、そうなると全く別ものですよね!

気持ちは分からないでもないですが・・・。ん・・・第2次世界大戦の歴史に興味のある方に。

主演:フェリシタス・ヴォール,ジョン・ライト,ベンヤミン・サドラー,ハイナー・ラウターバッハ


監督:ローランド・ズゾ・リヒター 2006年

BOSS的には・・・★★☆☆☆

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おすすめ平均:3.5
4英国とドイツの和解の象徴
1C級の脚本
3街版タイタニック?
4被害者としてのドイツを描いた意欲作
4ドキュメンタリー的映画

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