2010.05.06
Hairspray 邦題:ヘアスプレー
カルト・ムービーの火付け役、ジョン・ウォーターズが監督し1987年に映画化したオリジナル作品がブロードウェイでミュージカル化されトニー賞作品賞などを受賞。それを自らもダンサーで振付師でもあるアダム・シャンクマンが映画化したミュージカル・コメディ。女装したジョン・トラボルタが大活躍します。
60年代。人種差別に揺れるメリーランド州ボルチモア。高校に通うトレーシー(ニッキー・ブロンスキー)の夢は、午後のローカル局の歌と踊りの人気番組「コーニー・コリンズ・ショー」に出ること。しかし現実の彼女はいわゆるおデブでおチビ。洗濯業の母エドナ(ジョン・トラボルタ)と玩具屋を営む父ウィルバー(クリストファー・ウォーケン)の3人暮らしの彼女は、毎日親友のペニー(アマンダ・バインズ)と放課後にこの番組を見るのがせめてもの楽しみでした。
ある日、番組のメンバーに欠員が出てオーディションが行われます。千載一遇のチャンスに参加したトレーシー。しかし番組は美少女アンバー(ブリタニー・スノウ)の母でテレビ局の女部長ベルマ(ミシェル・ファイファー)が仕切っていて、娘を世に出そうと画策する彼女からは無視されます。
しかし、トレーシーの抜群のリズム感を見抜いた番組司会者によって抜擢された彼女は、たちまち町の人気者になります。それを快く思わないベルマとアンバーは、黒人たちのダンスに魅せられて黒人たちの住む街区を訪れたトレーシーたちを陥れようと画策します。
ミュージカル物の映画化ですので、基本的にダンスと歌のミュージカル仕立てです。こういう作品は、使われる緩急の音楽がどうドラマティックに切れ間なく、飽きさせずに続くかということでその評価が分かれるところ。その点、ロック&ロールを中心にした本作は、ノリノリのまま物語がポンポンと展開してゆきます。
何と言っても50を過ぎたジョン・トラボルタのおデブ女装での熱演。ミュージカルは「サタデーナイトフィーバー」以来でしょうか?そして夫役のクリストファー・ウォーケンもいい味出してます!私的にはこの役者さんのはまり役は、ミッキー・ローク主演の「ホーム・ボーイ」ですが・・・。
慇懃なステージママ役のミシェル・ファイファーも相変わらず美しく過激に熱演。でもやはり歳とったなぁ~。50歳目前ですから・・・。
で、監督はカルト・ムービーの世界ではその名を知らないものはいないアダム・シャンクマン。ゲイでもある彼の悪趣味な演出が、単純なティーンエイジ・ミュージカルには終わらせません。ユーモアもブラックはメイン。好きですなぁ~こういうの!
根底には人種差別問題が横たわっているのですが、歴史的で根源的な問題、現在でも完全になくなったとはいえないこの問題を、こんな風に歌い踊り笑い飛ばせるアメリカという国の懐の広さにも驚かされます。
まあ、そういう社会的な問題はおいといて、ロック&ロール系の歌と踊りの大好きな方、ちょっとブラックなコメディのお好きな方、そしてアダム・シャンクマンのファンの方にはお勧め!
出演:ジョン・トラヴォルタ,ニッキー・ブロンスキー,アマンダ・バインズ,クリストファー・ウォーケン,ザック・エフロン,イライジャ・ケリー,クイーン・ラティファ,ミシェル・ファイファー,ブリタニー・スノウ
監督:アダム・シャンクマン 2007年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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