2010.05.07
SICKO 邦題:シッコ
「ボウリング・フォー・コロンバイン」「華氏911」など、アメリカに巣くうさまざまな問題を、ジャーナリストであり映画監督でもあるマイケル・ムーアが制作したドキュメント的に綴ったパロディもしくはコメディ作品のひとつ。今回のテーマは「医療制度問題」です。
人口の15%以上に当たる5000万人もの医療保険未加入者を抱える大国アメリカ。そして加入者に対してもあらゆる手段を講じて保険金の支払を回避し、また加入者に治療制限を行って、莫大な利益を上げる保険会社。今回はそんな保険会社の悪行と、その利権にかかわる製薬会社、上澄みを吸い上げる政治家たちの実態を暴きます。
事実上崩壊しているアメリカの医療制度を明らかにしつつ、イギリスやフランス、カナダ、キューバの医療の実態と対比させます。彼のメッセージは、「よその国では当たり前のことが、何故アメリカでは出来ないのか?」。
この映画を観ると、現オバマ政権がこの問題にナーバスな理由がよくわかります。というか、合衆国という特殊な国であり、また入植地から世界一の経済大国となったアメリカという国の特殊性がよくわかります。
世界に対するアメリカの恥部のさらけ出し、さまざまな影の部分の暴露という彼の目的は、ある程度達成できたのではないかと思います。「へぇ~そうなんだ・・・」とあらためてアメリカを知ることの出来る2時間。2007年のカンヌでは特別上演され、スタンディングオベーションを受けました。
ちなみに「SICKO」とは、狂人とか変人を意味するスラングで、日本語の排泄行為とは関係ありません。
医療問題に関心のある方に。アメリカに移住しようとしている方に。アメリカ嫌いの方に。ムーアの好きな方に。
出演:マイケル・ムーア他
監督:マイケル・ムーア 2007年
BOSS的には・・・★★☆☆☆
おすすめ平均:
アメリカの医療制度に疑問
アメリカのHMOに切り込んだ初めての映画。
医療制度の問題の概要がよく分かります
米の保険事情を分かり易く理解できる映画です。
ちょっと誇張されてますが、アメリカの医療が終わっていることを浮き彫りにしている。
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