2010.05.31
The Cincinnati Kid 邦題:シンシナティ・キッド
カードゲーム・ギャンブラーを描いたドラマ。リチャード・ジェサップの同名小説をカナダ出身のノーマン・ジュイソンが映画化。主演はスティーヴ・マックィーン、音楽はラロ・シフリン。
1960年代のアメリカ、ニューオリンズ。無敵のカード・ギャンブラーのシンシナティ・キッド(スティーヴ・マックィーン)は、もはや町では大金をかけて勝負を挑んでくるものもいなくなっていました。
折りしもボーカーの名人で「ザ・マン」と呼ばれているランシー(エドワード・G・ロビンソン)が町にやってきます。噂を聞いたキッドは、賭博師業界の長老格であるシューター(カール・マルデン)に彼との対戦を依頼し、実現されることになります。
キッドにはクリスチャン (チューズデイ・ウェルド)という女性がいました。賭博師の女である彼女はしかし、貧しくとも安定した生活や家庭を持つことを求めていました。しかしキッドはシューターの妻であるメルバ(アン・マーグレット)の誘いに揺れます。
そしてついに対決の時がやってきます。4人で始まった勝負は開始後一昼夜が経過した頃には、キッドとランシーだけとなり、二人の一騎打ちとなります。
物語のメインとしては、経験豊富なカード・マスターと彼の栄光の座を狙う若きギャンブラーの、手に汗握るスタッド・ポーカー勝負。なのですが、それほどでもない。緊張感は、私が酷評した007/カジノロワイヤルの方が一枚上。
ピュアにゲームだけでは物足りないと、八百長やら色恋沙汰を展開するのですが、ゲームの緊張感を盛り上げる効果があったかどうか?
「ラスベガス万才」や「Tommy/トミー」で息を飲む美しさを披露したアン・マーグレットも、性悪女が似合っているとは言いがたい。カール・マルデンも果たして適役だったのかどうか・・・。つまり二人の主役以外は、どうもミスキャストなような気がします。
それではこの映画がただの「だめだめ映画」なのかといえばそうでもない。逆にそういう展開、そういうキャストの中でマックィーンをひたすら堪能できるという、そういう作品です。
「夜の大捜査線」「屋根の上のバイオリン弾き」「ジーザス・クライスト・スーパースター」、そしてわたしの大好きな「月の輝く夜に」を監督したノーマン・ジュイソンの作品。ラロ・シフリンの音楽も、時代がかってはいますがさすがです。
出演:スティーヴ・マックイーン,エドワード・G・ロビンソン,アン・マーグレット,カール・マルデン,チューズデイ・ウェルド,ジョーン・ブロンデル,リップ・トーン,ジェフ・コーリー
監督:ノーマン・ジュイソン 1965年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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