2010.06.21
The Enforcer 邦題:ダーティハリー3
サンフランシスコを舞台にした刑事物語「ダーティハリー」シリーズ第3作。今回は初めてハリーの相棒に女性刑事が登場。二人の掛け合いがクローズアップされています。
郊外でヒッチハイクの若い女性を乗せたガス会社の社員たちが、何者かの罠にはまり殺されます。一方、ハリー(クリント・イーストウッド)は相変わらず市内で.44マグナムをぶっ放す、はでな銃撃戦で事件解決に当たっていました。
ある日、酒屋に押し入った強盗を捕らえた替わりに1万ドルもの損害を出し、人質となった人たちからは訴えられ、その責任を取らされて殺人課から人事課に左遷されます。
翌日、一般警察官の刑事昇格面接に出たハリーは、現場経験の全くない女性警官を面接します。
一方、ガス会社の車を奪ったベトナム帰りの前科者ボビー・マックスウェル(デヴァレン・ブックウォルター)をリーダーとする過激派グループは陸軍の兵器庫に押し入り、大量の自動小銃M16や新型の対戦車バズーカ砲を強奪しようとしますが、パトロール中の刑事に見つかりますが逃走。逆に重傷を負った元相棒は病院で息を引き取ります。
犯人たちに激しい憤りを覚えるハリー。重大事件の発生で、彼は古巣の殺人課に戻されます。が、新しい彼の相棒は、面接の時に会った女性刑事ケイト・ムーア(タイン・デイリー)でした。
新しいでこぼこコンビが、凶悪事件を追って街に飛び出します。
1作目、2作目と大成功を収めたダーティーハリー・シリーズ。2作目は警察内部の問題と世の善悪という基本プロットの展開でしたが、今回の犯人は単純に凶悪。まあ時代を先取りしたテロ集団です。で、今回の新しい展開としては女性の相棒を配しての二人のやり取りと事件解決に向けての活躍という、また新しい魅力を持ち込みました。
途中、アダルト映画の撮影シーンやダイレクトメール詐欺のシーンなど、当時の世相も織り込まれています。
それにしても常にクールに時にシニカルに「.44」(キャノン)をぶっ放すハリーと、肩をいからせばたばたと走り回るケイトとの2人3脚にはコミカルさも織り込まれ、あっという間の2時間です。そしてエンディングの意外な展開もさすがといえます。
まあ、気になった点としては、ベトナムで戦闘経験のあるはずの犯人たちが、どたばたとあっけいないことがやや不満かな。主任や警部、市長などの濃すぎず薄すぎずのキャラクターも、ハリーとケイト、特にハリーの存在感をしっかりと知らしめるのに効果的に配置されています。
恐らくはシリーズモノになどなるとは思ってもいなかった(はずの)本シリーズ。はてさて次の展開は?と期待をいだかせる作品です。そう、これがシリーズ展開の肝ですからねぇ~。音楽は、今回はラロ・シフリンではなくジェリー・フィールディング。時代もJAZZからクロスオーバーですね!
出演:クリント・イーストウッド,ハリー・ガーディノ,ブラッドフォード・ディルマン,ジョン・ミッチャム,デヴァレン・ブックウォルター,ジョン・クロフォード,タイン・デイリー
監督:ジェームズ・ファーゴ 1976年
BOSS的には・・・★★★★☆
おすすめ平均:
撃ち合いが好きですか?
今度の敵はテロリスト!
ダーティハリーシリーズ中最高傑作。
本来の設定とキャラクターを復活させたシリーズ第3作
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