2010.06.17
The Recruit 邦題:リクルート
CIAの若手職員の勧誘と養成に隠された陰謀を描くサスペンス作品。名優アル・パチーノとコリン・ファレルが共演。監督は「カクテル」「世界最速のインディアン」のロジャー・ドナルドソン。
全米屈指のエリート大学MITで最も優秀な学生の一人、ジェイムズ・クレイトン(コリン・ファレル)は、コンピュータープログラムの能力の高さから業界での将来が約束されていました。
しかし彼には消し去ることの出来ない記憶がありました。それは1990年に南米ペルーでの航空機墜落事故で行方不明となった父のことでした。
世界的なコンピューター・メーカーに自ら作成したプログラムを売り込んでいる最中、彼の前に一人の男が現れます。彼の名はウォルター・バーク(アル・パチーノ)。CIAのベテラン教官であり、試験を受けさせる若者を勧誘(リクルート)していたのでした。
バークは、ジェイムズの父がCIAのNOC(上級スパイ)だったとほのめかし、彼に採用試験を受けさせることに成功します。
こうして集められた若者たちは、「ファーム」と呼ばれる訓練施設でさまざまな兵器やアイテムの知識や使用方法とともに、いかに人を欺くかを叩き込まれます。そしていざ捕まった時に、いかに自白しないで耐えられるかを。
一方ジェイムスは、そんな厳しい訓練と試験の合間にも、同じ訓練生のなかの女性レイラ(ブリジット・モイナハン)に惹かれてゆきますが・・・。
日本には犯罪者に対峙するのは「警察」と決まっていますが、アメリカには州警察のほかにFBIとCIAがあります。CIAやFBIの上から目線と対峙しながら活躍する刑事のドラマもよくありますが、FBIやCIAがメインの作品も数多くあります。今回はCIAオンリーの物語。
で、訓練生の模様を描きながら、CIAのエージェントがどのような知識や訓練を受けるのか、かなかな興味深く描かれています。そして、「スパイ」という職業にどういう資質が要求されるのかも。
ただ、「スパイ」に求められるものも時代とともに変化してきていて、まあショーン・コネリーがピアース・ブロスナンになったように、「情報戦」と「心理戦」に絞り込まれています。だからこそ、ダニエル・クレイグになったのかもしれません。
ああ、わき道にそれてしまいましたが、本作には3年後にソニー・クロケットを演じるコリン・ファレルが、フロリダ出身の研修生仲間を「ソニー」と呼んだのは、この時点ですでにマイケル・マンからオファーがあったのか???
ああ、またわき道にそれてしまいましたが、対決する悪人の出てこないCIA内部だけを扱ったサスペンスですが、なかなかよく出来てます。もちろんこれは、名優アル・パチーノの名演によることも多いわけですが、カメラワークとかもなかなかよくできています。
ヒロイン(?)のブリジット・モイナハン、私好みではありますが少し華が足りない?まあ、CIAエージェントという役柄ですから仕方ないか?コリン・ファレルは、ベッドシーンの相手によって出演を選ぶと言われていますが、彼女との無用なベッドシーンも出てきます。
アル・パチーノ主演ということであまり期待しすぎると、肩透かしを食らってしまいますが、現代CIAの本質をサスペンスに絡めた展開は、素で見ればそこそこ楽しめる作品です。
出演:アル・パチーノ,コリン・ファレル,ブリジット・モイナハン,ガブリエル・マクト,マイク・レルバ
監督:ロジャー・ドナルドソン 2003年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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