2010.06.03
U-900
第二次世界大戦中のドイツ潜水艦Uボートを舞台にしたコメディ。
第二次世界大戦末期のフランス地中海沿岸。戦局の悪化したナチス・ドイツは、戦局を一気に巻き返す力をもつという秘宝「聖杯」を発見し、連合軍の目をかいくぐってこれをドイツ本国に潜水艦で運ぼうとしていました。
一方、ドイツ将校の妻の誘惑にのってことに及び、見つかって逃げ回ることになったアッツェ(クリスチャン・カールマン)は、友人の発明好きな青年オリバーとともにドイツ将校になりすまし夢の国ニューヨークに向かうため港へ向かいます。
途中、ウェディング・ケーキを運んでいた女優志望のイボンヌも加わり、3人は潜水艦の艦長と2人の将校に化けて港に待機していたU-900に乗り込み、一路ジブラルタル海峡を目指して出発します。
ナチス・ドイツと聖杯に関しては、インディ・ジョーンズがありました。ドイツ製の基本的にはコメディではありますが、本作はロケやUボートなどなかなかよく出来ていますし、映像やその展開にB級的な匂いや破綻はありません。
それよりも、こういう作品がドイツで作られたことに驚かされます。はたして日本で、太平洋戦争をコメディにして、アメリカ軍に意気揚々と降伏するような作品が作られるのかと言えば・・・。
実際のU-900はUボートのうちのIXD/2型という最も活躍したタイプの潜水艦ですが、この番号の船自体は作られなかったようです。
同型のU-511がナチスドイツから日本に譲渡され、1941年に帝国海軍将校2名を載せてフランスから日本にやってきました。そう「ザ・ラストUボート」です。
さて、戦争モノ好きの潜水艦モノ好きのわたしにとっては、戦闘シーンの全くない本作は物足りないと言えば物足りないのですが、どこかの国の潜水艦映画みたいなちゃちい作りとは違い、また先にもお話したようになかなか無理のないお笑い展開ですので、結構楽しませていただきました。
出演:クリスチャン・カールマン,イボンヌ・カッターフェルド,ジャン・フェダー,ジェシー・インマン,ドリーン・ジャコビ,マキシム・マフメット
監督:スヴェン・ウンターヴァルト・Jr 2008年
BOSS的には・・・★★★☆☆
もっとムービー・アーカイブスはこちら >>> 「ムービー・インデックス」