2010.07.10
Pale Rider 邦題:ペイルライダー
ゴールドラッシュで沸く西部の田舎町を舞台に、流れ者のガンマンと町の資産家に雇われた殺し屋保安官との対決を描いた西部劇。製作・監督・主演はクリント・イーストウッド。
19世紀末の西部。違法な大規模採掘で富を築くラフッド(リチャード・ダイサート)一家は近隣の渓谷を掘りつくし、残った小さな渓谷であるカーボン渓谷を狙っていました。この一体ではここだけ、数十人の男女が細々と採掘を続けていましたが、度重なる一家の嫌がらせのため、次々と渓谷を去るものが出ていました。
15歳になる少女ミーガン(シドニー・ペニー)とその母のサラ(キャリー・スノッドグレス)、婚約者のバレット(マイケル・モリアーティ)もここに暮らしていましたが、その日も一家の嫌がらせにあい、ミーガンは愛犬を無残に殺されます。
一人で愛犬を埋葬し、神に祈るミーガン。その祈りに応えるように、一人の男(クリント・イーストウッド)が町に向かっていました。町に買い物に出かけたバレットは一家の嫌がらせにあいますが、そこで彼を救ったその男は、バレットと共に渓谷の村に入ります。
ラフッドとの交渉を断った渓谷の人たち。一方のラフッドは、金さえ出せば殺人をもいとわない連邦保安官のストックバーン(ジョン・ラッセル)に村民一掃を依頼します。そしてまもなく、対決の日がやってきます。
ゴールドラッシュとは、19世紀中ごろにアメリカ西部のカリフォルニア中心に起こった金採掘のブーム。多くの人々が一攫千金を夢見て西部にやってきたことで、先住民インディアンが駆逐されたり、遠く中国からやってきた人々によって、今のチャイナタウンの基礎ができたりと、その影響は後々まで続きました。
日本人では、かのジョン万次郎がアメリカにわたった後、金鉱山で得た資金で日本に戻ってきたのは有名なお話。またこの採掘用にリーバイ・ストラウスが作った作業着がいわゆるジーンズですね。個人的にはニール・ヤングの「ハーベスト」ですが・・・
で、私的には一攫千金に群がる人というのはどうも苦手といいますか、個人的には農耕民族、いやせめてもの狩猟民族レベルなので。
物語はそういう一攫千金を夢見る人たちの争いに加勢する腕利きのガンマンということで、いくらワンサイド・ゲーム的に勧善懲悪の舞台準備を整えていただいても、まあどちらでもいいといいますか・・・。
その辺を感じたのか(なわけないか・・・)イーストウッド監督、ガンマン同士の対決は採掘者とは縁を切って、個人的な因縁の戦いとしているのですが、ラストのこの戦いがまたあまりにもチープでした。
年の差のあるミーガンとの恋バナとか、ややこしい話はもっと省略して、ストイックな対決をしっかりと見せてほしかった・・・。
エンディングなど、なんとなくアラン・ラッド主演のアカデミー作品、「シェーン」を思い出してしまうのですが、思い出すだけの作品でした。音楽は、イーストウッド監督ご用達のレニー・ニーハウス。
ダーティ・ハリーとは別物。イーストウッド・ファンの方に。
出演:クリント・イーストウッド,マイケル・モリアーティ,キャリー・スノッドグレス,クリストファー・ペン,リチャード・ダイサート,シドニー・ペニー,リチャード・キール
監督・製作:クリント・イーストウッド 1985年
BOSS的には・・・★★☆☆☆
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