2010.08.28
Unforgiven 邦題:許されざる者
銃を捨てひそかに暮らしていたかつての無法者が、賞金稼ぎのために再び銃を取る西部劇。監督・主演はクリント・イーストウッド。アカデミー賞作品賞受賞作品。
1880年のワイオミング。かつての西部開拓時代に列車強盗や賞金稼ぎで悪名をとどろかせていたガンマン、ウィリアム・マニー(クリント・イーストウッド)は、今は銃を捨て二人の子供と小さな農場を営み暮らしていました。
しかし家畜は病気がちで作物も順調には育たず、3年前には最愛の妻に先立たれます。苦しい生活を続けているある日、スコフィールド・キッド (ジェームス・ウールヴェット)という若いガンマンが訪ねてきます。
彼は娼婦であるフィッツジェラルド(アンナ・トムソン)に重傷を負わせた2人のカウボーイにかかった1000ドルの賞金を得るため、マニーと組みたいと考えていました。生活の足しになればと、11年ぶりに銃を握ったマニー。しかしかつての腕前は見る影もありません。
キッドの腕前も信じられないマニーは、かつての相棒ネッド・ローガン(モーガン・フリーマン)を誘って街に向かいます。一方街では、保安官のリトル・ビル・ダゲット(ジーン・ハックマン)が強引なやり方で街を牛耳っていました。
クリント・イーストウッドが「最後の西部劇」と言ったように、時代はもう西部開拓時代の無法状態ではなく、強引なやり方ではあれど銃のない秩序が築かれ始めていました。そういう時代に生きた最後の老ガンマンを描いた作品であり、彼にとっては尊敬する名監督たち、ドン・シーゲルとセルジオ・レオーネに捧げたオマージュ的作品でもあります。
とにかく最後までイーストウッドが情けない。よぼよぼのよれよれ状態が続きます。これが最後のサプライズへとなだれ込む、長い長い伏線なわけですが、さすがに雨に打たれた上に殴られただけで死に掛けるのはちょっと過剰演出かも。
保安官役のジーン・ハックマンの単細胞的いきりも、それを際立たせているわけですが・・・。名優モーガン・フリーマンは、活躍の場がありません。
まあこの先どうなるんだろうと、やや遅い展開にいらいらしつつも、ついつい身を乗り出して観てしまいます。この辺は監督としてのイーストウッドがこなれてきた証拠?作品賞ゆえのつくりです。
音楽はイーストウッドとタッグを組むれニー・ニーハウス。
正直、誰を許して誰を許すべきではないのか、見終わったあとも「?」状態になるわけですが、まあ作品賞ものだとか善悪だとかを考えることなく、ひたすらエンディングのイーストウッドのかっこよさにしびれて、「The End」でいいんでしょうね!
出演:クリント・イーストウッド,ジーン・ハックマン,モーガン・フリーマン,リチャード・ハリス,ジェームス・ウールヴェット,ソウル・ルビネック,フランセス・フィッシャー,アンナ・トムソン,シェーン・メイヤー
監督:クリント・イーストウッド 1992年
音楽:レニー・ニーハウス
BOSS的には・・・★★★☆☆
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