2010.09.11
You Only Live Twice 邦題:007は二度死ぬ
愛すべきショーン・コネリーのボンド第5弾。今回は監督がルイス・ギルバートとなり、日本を舞台にボンドが活躍、丹波哲郎をはじめ多彩な日本人俳優が多数出演しています。
アメリカの人工衛星が謎の飛行物体によって捕獲されるという事件が発生。米ソは全面戦争に向かって一触即発の状況となりますが、イギリス諜報機関MI6は謎の宇宙船が日本近郊に着陸したという情報を得ていました。
一体どこの誰がそのような行動をおこしているのか?MI6はそれを突き止めるべく、一度殉職したかのように装って、ボンドを日本に送り込みます。
日本に到着したボンドは、アキ(若林映子)に連れられ、日本の情報機関「8」のボスであるタイガー(丹波哲郎)に会い、二人は早速調査活動を始めます。
ボンド・シリーズ唯一の日本ロケ。1967年当時ですから今の日本とはずいぶんと異なりはしますが、当時は東京オリンピック開催直後とあって、それなりの背景となっています。
また、他のシリーズと異なり、ずいぶんとロケ地の文化や風習を取り入れた内容となっており、まあお寺での結婚式を神主や巫女がやっているという、笑うに笑えないようなシーンもありますが、かえってその荒唐無稽さが娯楽作品としての価値を高めているような気もします。
相変わらず、どこででもいたしまくるボンドですが、お相手が日本人ということもあってか、かなり控えめ短め。何せ当時、語学訓練でイギリスを訪れていた浜美枝を、ショーン・コネリーがプライベートに誘いまくり、同じときにロンドンを訪れていた三船敏郎に、「日本人としての誇りを忘れるな!」と一喝されたそうです。
個人的には、あれほどユニークでシニカルでスマートに女性をベッドに誘いつつ、敵をばたばたと倒してゆくジェームスも、日本人の文化の中で見ると、やはりかなり異邦人といいますか、やんちゃなおっさんに見えてくる。
この辺の西洋人がなかなかなじめない、溶け込めない部分というのは、私たちの住む日本の独特の文化として、逆に誇りに思い、また守ってゆくべき物なのかもしれません。
ボンド・カーは、一応TOYOTAの誇る2000GTということになりますが、今回はボンドが運転する機会はまったくなし。ちょっとした通信装置はついていますが、そもそもこの車は「8」の所有であり、「Q」が用意したものではありませんので、正しくはボンド・カーではありません。
今回初めて、スペクターの首領ブロフェルドがその姿を表わしますが、これはなかったほうがよかったかも・・・。ピラニアが恐怖の対象なのも、当時ならではでしょうか?
そんな突っ込みどころ満載の本作。突っ込むか突っ込まないかで、ずいぶんと評価が分かれそう。
日本のボンドファンにはぶっちぎりにいい評価、海外ではぶっちぎりに低い評価の本作。さて皆さんはいかがでしょうか?
出演:ショーン・コネリー,丹波哲郎,若林映子,浜美枝,ドナルド・プレザンス,島田テル,バーナード・リー,デスモンド・リュウェリン,ロイス・マクスウェル
監督:ルイス・ギルバート 1967年
BOSS的には・・・★★★☆☆
おすすめ平均:
十分楽しめました
ツッコミ所満載の無茶苦茶な映画…。
お願いします・・
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